2022-01-01から1年間の記事一覧

【書評】バブルの歴史 エドワード・チャンセラー

投資を行う上で、群集心理の存在は切り離せないものです。その群集心理が行き過ぎた時にバブルは発生し、バブルはどの時代でも存在しています。そんなバブルについての歴史をまとめた一冊。 新訳 バブルの歴史 ──最後に来た者は悪魔の餌食 作者:エドワード・…

Jリート株価が下落している理由

J REIT含め不動産に詳しい中山氏が、このところ不調のJ REITについて解説をしています。15分程度の動画で、現在のREIT指数が下落している理由が簡潔にまとめられています。9月以降のREIT指数の下落はJ REITだけでなく、米国REITやシンガポールREITも同様に暴…

マーケットの転換点か?! FED利上げペース減速を検討。 政府・日銀は9/22以来約1ヶ月ぶりの為替介入を実施。

10/22,米国株式市場オープンを控える日本時間22時ごろに、FEDウォッチャーのNickによる重要なリーク記事が出ました。FRBが11月に75bpの利上げを実施した後、12月では利上げペースを減速し50bpの利上げについて議論を開始しているという報道です。 米連邦準備…

20年先を見据えたインフレ環境下での投資戦略:構造の変化と対策

Market StrategistのRussel Napierへのインタビュー記事です。サブプライムローン危機時のBig Shortで多大な利益を上げたことで有名なMichael Burry氏のツイートで取り上げられていました。 pic.twitter.com/PWzDCMoJjL — Michael Burry Archive (@BurryArch…

「景気後退の事前サイン」が出たときの投資を考える: JP Morgan アセットマネジメント

経済指標には遅行指標と先行指標があり、今マーケットから最も注目されているCPIは遅行指標の代表例です。そして、先行指標の代表例として米国企業の景況感を示す「ISM製造業景況感指数」があります。これが50を割れると一般的に事業が縮小傾向となることを…

シンガポール・オーストラリア 「グリーン経済」協定締結

10月18日、シンガポールとオーストラリアが「グリーン経済」協定を締結しました。これにより、両国間でのグリーンセクター関連事業の関税減税・免税など、投資を促進する環境を整えます。事業としては、サステイナブル農業やグリーン輸送(両国の港間をnet-ze…

地熱発電のゲームチェンジャー: 中部電力がカナダ企業に出資

--2023/5/1 update- 中部電力も出資している地熱発電の新技術を開発しているEavor社ですが、その後順調にプロジェクトを進めており、2024年をめどにドイツで商用プロジェクトを開始するようです。 このクローズドループができれば、国立公園などの景観も損ね…

データセンターREITは売りか?それとも割安で"買い"の好機か?!

2022年も残り2ヶ月と少しとなりましたが、データセンターREITの株価は悪化の一途を辿っています。シンガポールREITを代表するKeppel DC REITも年初来で-28%も下落しています。 Jim Chanosの"データセンターREITは売り"というレポートは現在あたっており、業…

【書評】メタバースとは何か 岡嶋裕史

メタバース、Web3というワードが今流行っていますが、本書はメタバースに焦点をあてた書籍です。FacebookがMetaと社名を変えて以降、米国IT企業を筆頭に世界ではメタバースに関する投資が増えています。 メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~…

【銘柄分析】SPH REIT :高級ブランド店を構えるシンガポール随一のショッピングモールを保有するリート

<概要・特徴> シンガポールとオーストラリアのショッピングモールに投資しているREIT。特に旗艦物件のParagonはシンガポールで有名で、ショッピングエリアの中心地オーチャードロードにあり、グッチやプラダなどの高級ブランドがテナントとして入っているデ…

【銘柄分析】Elite Commercial REIT : イギリスにフォーカスした小型オフィスREIT

<概要・特徴> シンガポール上場REITで唯一イギリスにフォーカスしたREITです。時価総額は小型REITに該当しますが、テナントの99%が政府系ということで、非常に安定感のあるREITです。 2020年上場と比較的新しいREITで、物件の取得や積極的なIR活動など、投資…

シンガポール中銀、金融引き締めを継続。シンガポールドルは103円台へ。

10/14、シンガポール中銀(MAS)は金融引き締めを継続し、今回で5回連続となりました。シンガポールドルは103.5円まで上昇しています。 MASは「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる政策バンドの3つのレバー(傾き、中央…

CapitaLand Ascendas REIT 米国ポートフォリオで高いパフォーマンスを発揮

CapitaLand Ascendas REITが保有している米国ポートフォリオで高いパフォーマンスを上げています。その秘訣についてWilliam Tay CEOが語っています。 Ascendas REITは2022年度に入ってからシンガポール国内物件、海外物件、共に積極的に新規物件取得を実施し…

シンガポールREIT決算期突入

米国株は金融機関を皮切りに今週から決算期が始まりますが、シンガポールREITは来週から決算発表が本格化します。10/20のKeppel Infrastructure Trust、21日はCapitaLand Integrated Commercial Trustの決算、さらに翌週からはMapletree,Keppel系列のREITの…

【銘柄分析】Keppel REIT :マリーナ・ベイを囲む一流オフィスビルを保有するリート

<概要・特徴> シンガポールといえば、マリーナ・ベイ周辺のオフィスビル群をイメージする人も多いかと思います。そのオフィスビルの一角を保有しているのがこのKeppel REITです。保有資産の約80%はシンガポールオフィスに投資しています。優良リートらしく安…

【書評】リスクを取らないリスク 堀古英司

ニューヨークでヘッジファンド「ホリコキャピタル」を運営している堀古氏の著書。 リスクを取らないリスク 作者:堀古英司 クロスメディア・パブリッシング(インプレス) Amazon お金、キャリア、人生、日本で生きていくためのアドバイスあなたは、何もしな…

【書評】不確実性超入門 田渕直也:確率論と心理を結びつけたトレーダー必読の書

投資は不確実性の高いマーケットに対して自分がどのような行動をするかによってパフォーマンスが決まってきます。この「不確実性超入門」には、”不確実性との向き合い方が人生の長期的成功を決める”ということで、投資にも活かせる内容が多い書籍となってい…

【銘柄分析】CapitaLand Integrated Commercial Trust:言わずとしれたシンガポール最大REIT

<概要・特徴> Capitaland Integrated Commercial Trust (CICT)はシンガポールを代表する最大のREITで、オフィス・商業施設を保有しています。 時価総額, 保有資産,共にシンガポールREIT1位です。REITの規模が大きくなると海外物件の比率が高くなりがちですが…

【書評】ASEAN 企業地図 桂木麻也:東南アジアマーケットの理解を深める良書

アジアでのビジネスや企業を理解する上で簡潔にまとまっている良書です。東南アジアでビジネスで行っているかたをメインターゲットとしていますが、シンガポールREITに投資を行っている人にも有用です。特にシンガポールでは政府系ファンドがどこに投資を行…

世界最大物流REITであるプロロジス:グローバルダイナミクスの変化に対する戦略

コロナ禍中、最も繁盛したREITは物流リートでした。米国REITでもJ-REITでもシンガポールREITでも同様です。ここ5年ほどでJ-REITでも三井不動産や三菱地所などの物流リートIPOが相次いだのが象徴的です。その反動もあり、アフターコロナになってからは低迷が…

ARK キャシー・ウッド氏インタビュー:イノベーション株の今後の見通し

マネックスで毎月実施されている米国株向けのオンラインセミナー「ハッチの米国株マーケット」にて、ARK Invest キャシー・ウッド氏のインタビューが公開されました。全部で約1時間半のボリュームたっぷりな動画になっています。(動画内でのインタビューは30…

レイ・ダリオ氏 "現金はゴミ"ではなくなった。

「現金はゴミ」のフレーズを生み出したレイ・ダリオ氏ですが、今の金利水準であればキャッシュはアセットとしてみなすことができると述べました。 ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者で資産家のレイ・ダリオ氏は、現金保有に関する見方を転換し「現金は…

シンガポールREIT マーケット市況 10月レポート

シンガポールREIT市場全体での9月パフォーマンスの振り返りです。まれにみる最悪の月間パフォーマンスで、指数は暴落しました。シンガポールREITの専門家Kenny Loh氏の10月2日レポート分の要約を見てみましょう。 FTSE ST REITインデックスは先月末の792.62…

CapitaLand系列のAscendas REIT, Ascott Residence Trustが名称変更。グループシナジーを最大化。

2022/9/27よりCapitaLand Investment LimitedがオーナーであるAscendas REIT (A-REIT), Ascott Residence Trust (ART), Ascendas India Trust(a-iTrust)がCapitaLand系列であることを前面に出した名称に変更します。それぞれ、CapitaLand Ascendas REIT (CLA…

【書評】楽天IR戦記 市川祐子

--2023/8/26更新 Kindle ビジネス書キャンペーンで、2023/9/7まで50%オフになっています。 -- 投資を行うにあたって、株主総会や四半期決算資料の確認などIR(Investor Relations)と関わる機会が多いと思います。"楽天IR戦記"は市川氏の体験を元にIRがどのよ…

日興AM 上場アジアリートETF:シンガポールと香港の2大アジアリートに投資できるETF

--2022/09/30更新-- 少額で分散投資ができるのが魅力なETF。その中でアジアリートに投資できるETF 上場アジアリートETFを紹介したいと思います。 日興アセットマネジメントから出ているETFで、東証にも上場しているため日本からでもシンガポールからでも買い…

シンガポール政府系ファンド、日本の不動産に積極投資

シンガポールの政府系ファンドであるGICが日本の不動産に積極的に投資を進めています。西武HDが保有していたプリンスホテルなどの売却先はGICでした。沖縄のホテルなどの観光関連への興味を強めているようです。実はGICのみならず、コロナ禍で旅行業界が閑散…

米10年債利回り4%到達。住宅ローン金利は7%越え。英国はQTを延期しQE継続へ。

ついに米国10年債の利回りが4%に到達しました。それに伴い住宅ローン金利は7%を越えています。これにより一貫して株式・債券は下落しています。 8日の取引で米10年国債利回りが一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.015%と、2008年以来の…

年金を運用しているGPIFが海外不動産へ数千億規模のオルタナティブ投資実施

--2022/10/3更新-- 世界最大の機関投資家と言われるGPIFが海外不動産へのオルタナティブ投資を実施するというニュースが出ました。*オルタナティブ投資とは従来の株式・債券といった伝統的資産以外のアセットに投資することをいいます。 年金積立金管理運用…

Ascott Residence Trust CEOインタビュー:コロナ禍からの飛躍と今後の戦略

シンガポールREIT最大のHospitality系リートであるAscott Residence TrustのCEOインタビュー記事がリリースされました。Afterコロナで現在一番期待されているセクターであるだけに注目の記事です。 5つのトピックをQ&A形式で展開しています。 新規物件の買収…