レイ・ダリオ氏 "現金はゴミ"ではなくなった。

「現金はゴミ」のフレーズを生み出したレイ・ダリオ氏ですが、今の金利水準であればキャッシュはアセットとしてみなすことができると述べました。

ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者で資産家のレイ・ダリオ氏は、現金保有に関する見方を転換し「現金はゴミ」ともはや考えていないと述べた。短期金利は「現時点でほぼ妥当だ」との認ダリオ氏はツイッターで、現在の金利水準や米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小を踏まえると現金は「現在、ほぼ中立的」で、「非常に良いわけでも悪いわけでもないディールだ」と述べた。

現金はいうなれば超短期の債券と同義ですし、今の金利水準では債券への投資を再開しているヘッジファンドも増えてきました。先日ガンドラック氏も債券購入を買い始めている旨を表明しています。

今回の金利上昇により、超短期債である"預金"もインフレ時の投資アセットになりつつあるということです。こちらについては、グローバルマクロ・リサーチの下記ブログで詳細が記載されています。

ちなみに、レイ・ダリオ氏の旗艦ファンドであるピュア・アルファは2022年9月までの年初来リターンが+32%と2010年以来の高パフォーマンスを上げています。2022年前半は欧州株のショートで利益を上げており、2022年6月末時点ではショートポジションの多くを閉じています。2022年はボラティリティが高くグローバルマクロ戦略を取っているファンドの多くが好調のようです。

6月末時点と約3ヶ月前のレポート(フォーム13F)では、保有している個別銘柄の上位はディフェンシブ銘柄のP&G, J&J, コカ・コーラなどでした。

この第2四半期に新たに追加されたポジションは、EVのリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)を約6万2800株、アマゾン・ドットコム(AMZN)約14万9000株。また、メタ・プラットフォームズ(META) 、アルファベット(GOOGL)、バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)、マスターカード (MA) については保有を積み増した。

 

2021年、ブリッジウォーターは中国投資のためのファンドを立ち上げ、中国株の保有を大幅に増加させる等、中国投資に対して積極的な姿勢を示していた。しかし、マクロ的な観点で中国から発信される経済データは彼らを満足させるものではなかったのだろうか。今回の売却をみると中国に対する姿勢が微妙に変化してきているようだ