ARK キャシー・ウッド氏インタビュー:イノベーション株の今後の見通し

マネックスで毎月実施されている米国株向けのオンラインセミナー「ハッチの米国株マーケット」にて、ARK Invest キャシー・ウッド氏のインタビューが公開されました。全部で約1時間半のボリュームたっぷりな動画になっています。(動画内でのインタビューは30分程度。)

<イノベーション株の今後5年間の見通し、向こう1年間の米国株式市場の見通し>

  • 今のマーケット状況は想定よりも長い調整となっている。
  • 今回のマーケットの調整を受けて今後5年での平均期待収益率15%と想定していたものがさらに何倍にも上がったと考えている。
  • この1年半インフレと金利をマーケットは懸念してたが、その心理は変わってくる。弱気相場が行き過ぎているため、反転は近い
  • イノベーションの進化により、古い企業は淘汰される。これは劇的な変化となる。

<テスラの見通し>

  • 自動運転、AIで他社を先行している。ロボタクシーは最も重要な要素。今後数年(2-3年)でロボタクシーの全国展開は実現する。WaymoやGMのクルーズ・オートメーションが競合だが、パイロットの規模が小さい。輸送に関するデータ・AIが勝者となる鍵。
  • ギガファクトリーなど効率的に大規模生産できる工場をもっているのも強み。
  • 中国ではTusimple, Xpeng,などが強い。欧州、日本もローカルのEVが勝者になるかも。
  • 2026年のターゲット4600ドル(分割後の株価で1500ドル)は変わらず。*テスラのリスクについてはコメントなし。。。

<イノベーション株の大きな下げにどう耐えているか?>

苦しい局面が長く続いている。しかし、徹底したリサーチを行っていることが自信を生み出し、自分を支えている。イノベーションがどれほどインパクトがあるものかを理解している。イノベーションは社会問題を解決する。

<ポートフォリオ内のイノベーション株の適切な配分とは?>

キャシー氏のポートフォリオはARKと暗号資産関連のみ。イノベーションは大きなチャンスであり、これに懸けている。ただ、ボラティリティが高いのでこのようなポートフォリオは一般的にオススメしないが、若い人はイノベーション関連株の割合を増やすとよい。

<ARKが保有しているTop銘柄について>

世界のデジタル化などCOVIDは世界を恒久的に変えた。イノベーションはエネルギー問題や食糧問題なども解決する。

  • Zoom
    • ステイホームで終わる銘柄ではない。Zoom phoneなどオフィス通信機器を全て代替していけるのでTAM(Total addressable market)大きい。この大きな総入れ替えサイクルの2大受益者はZoomとMicrosoft。
  • Teladoc
    • ただの遠隔医療ではない。ゲノムデータなどを集めるなど、病気の予防・回復などヘルステックの基幹となる健康管理のバックボーンを構築。
  • ROKU
    • テレビの新しいオペレーティングシステム。アナログからデジタルテレビへ変化する大きな潮流。1700億ドルの広告規模がある。ROKU,Amazon,Appleが3大受益者。
  • ゲノム関連
    • CRISPR,Therapeutics, Intellia。すでに病気を治すなど結果が出てきている。その進化のスピードはキャシー氏の想像を超えるほど早い。

 

インタビュー後の岡元氏による解説は、話の中で出てきたTesla,Zoom, Teladoc, ROKUに関する補足でした。

<Tesla>

テスラは9/30に試作品のロボット(オプティマス)も披露しています。

<Zoom>

ベースケースは1500ドル(今の20倍)と想定。2026年は企業ユーザーの5割は有料プランに加入。AIを使ったソフトウェアが売上に貢献。

<ROKU>

ターゲットは605ドル。半分はストリーミングを見ている。しかし広告予算は全体の20%なので、既存テレビ広告と比較しさらに伸びる。

 

--10/17追記--

マネックス証券でのインタビューフル動画がアップされました。

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ARK Investの9月Webinarの記事はこちら。