シンガポール政府系ファンド、日本の不動産に積極投資

シンガポールの政府系ファンドであるGICが日本の不動産に積極的に投資を進めています。西武HDが保有していたプリンスホテルなどの売却先はGICでした。沖縄のホテルなどの観光関連への興味を強めているようです。実はGICのみならず、コロナ禍で旅行業界が閑散としてる中、外資はホテルの買収に積極的で、例えば京都でもヒルトンやハイアットなど高級ホテルを買収・リブランディングして新規リリースしています。

GICでアジアの不動産部門のトップを務めるゴー・チンキォン氏はブルームバーグのインタビューで、西武ホールディングス(HD)からの多数のレジャー関連施設の買収や沖縄のホテルなど観光関連に多く投資している現状に言及。「観光産業の長期的な成長がわれわれの原動力になっている」と説明し、日本の水際対策の緩和は「われわれの投資にとってポジティブ」だと話した。

  また、海外の観光客にとっては円安が日本の魅力を後押しする要因になっているとし、新型コロナウイルス禍による一時的な影響はあったものの、「今後は年々観光産業が発展することを見込んでいる」と強調した。

 

(参考)京都でオープンしたヒルトンやハイアット

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts|LXR ホテルズ&リゾーツ


京都東山のラグジュアリーホテル - ハイアット リージェンシー 京都

ハイアットリージェンシー京都

 

さらにホテルなどの観光関連だけでなく、住宅やオフィス、物流にも積極的とのこと。ここまでくると、ほぼ日本の不動産はジャンルを問わず投資に積極的と言えるレベルです。

また、住宅やオフィス、物流といった分野での投資にも積極的だ。ゴー氏は、同社が18年に日本での住宅分野への投資を始めて以降、すでに100軒超の物件を取得していることを明らかにした。日本では資金の調達コストが低く、物件の利回りと借入金利の差であるイールドスプレッドで一定水準を確保できる状況は続きそうなことから、住宅は「引き続き魅力的な分野」だとみている。

日本の不動産に投資するにあたって、個人投資家であればJ-REITに投資する選択肢があります。(直近は株式に追随する形で大きく下落しています。)もし来年の日銀黒田総裁退任後にYCC修正による日本の金利上昇が起きれば、J-REIT価格の下落が想定されます。もちろん、今のベアマーケットの影響でリセッション入りした場合もJ-REITは下落が予想されるので、2023年はまれにみるJ-REITの買い場になるかもしれません。いずれにせよ今は静観して来年3Q以降に備えたいと思います。

 

こちらはParkwayが日本の物件を取得した際のニュースです。シンガポールREIT内でも日本の物件取得に積極的なリートが多数あります。