シンガポールはアジアのハブとして機能しており、周辺国からの観光客が多く訪問します。その恩恵を受けるホテル系リートの一つ、OUE Hosipitality REITのQ3決算を見ていきましょう。
株価: S$0.815 (as of 3rd Nov 2017)
FY2017Q3
Gross Revenue: S$34.0M (YoY +5.4%)
Net property Income: S$ 29.5M (YoY +3.8%)
Destibutable Income: S$ 24.7M (YoY +10.9%)
DPU(配当金): 1.36 ( YoY +10.6% )
配当利回り:6.3%
決算は事前予想通りで、2017年に入ってから株価も好調に推移しています。
そのため、valuation面での割安感は以前ほどなくなってきました。
下記はOUE hospitalのここ半年でのチャートです。
右肩上がりなのが確認できます。
シンガポールREITのマーケット全体が好調なため、投資旨みは引き続き減少してきています。
世界的に不動産価格が高騰しており、物件の追加取得など外部要因で売上を伸ばすことができないので、ここからさらに株価上昇を見ていくのは難しいです。
逆に言うと、この不動産価格が高い状況で物件の追加取得を行っているREIT銘柄については、リスクマネジメント面で懸念があるので、投資を控えたほうがよいとも言えます。
外部要因での売上拡大が難しい以上、内部要因(テナントの維持や契約更新のタイミングで家賃を上げていく方法)でどれだけ上手く管理できるかがしばらくは重要になってきます。
REIT投資家は、この点も意識した上で、銘柄選定を行う必要があります。
決算を見る上で、
・高い占有率を維持しているか?
・家賃単価を維持もしくは上昇させているか?
の2点は、必ずチェックしてください。
今回取り上げたOUE hospitalityの場合、
所持しているホテル物件の単価(ホテルの場合は1部屋あたりの平均単価を使用します。)は
MOSが$242(昨年同期比 +$18), CPCAが$180(昨年同期比+$33)と好調を維持しています。
*MOS,CPCAというのは保持しているホテルの名前を表しており、それぞれ
MOS=Mandarin Orchard Singapore,
CPCA=Crowne Plaza Changi Airport の略称になります。
占有率については、2016年にOPENし、課題となっていたCPCAが60%⇒80%へと大幅改善しています。