配当再投資のパフォーマンスを上げるで、インカムとして入ってくる金額をいかに増やしていくかが重要です。その中で、支払う税金が少ないADRを活用することも一つの有用な戦略になります。
NISA口座を活用して投資をしている場合、米国株からの配当には源泉税が10%かかってしまいます。しかし、源泉税がかからないADRを活用すれば、高配当銘柄の長所を最大に活かしてつつ配当再投資戦略を進めることができます。
例えば、イギリスに上場しているBP,やロイヤルダッチ、といった現在配当利回り6%を超える銘柄があります。
源泉税がかからない国としては、イギリス、オーストラリア、香港、インド、ブラジルの五カ国なので、この中から長期投資可能な銘柄を探すのがよいです。
ちなみに、シーゲル銘柄として有名なフィリップモリス(PM)も本社がスイスであるため、ほぼ源泉税なし(0.2%)で配当を受け取ることができます。
源泉税がかからないADRの中でもおススメ優良銘柄が多いのはイギリス。
エネルギーのBP,ロイヤルダッチ(RDSB)、タバコ銘柄のブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)、製薬のグラクソスミス(GSK)、消費財のユニリーバ(UL),金融ではHSBCなどが世界的優良銘柄が名を連ねています。
オーストラリアのウエストパック(WBK)も配当利回りが5.5%を超えており、配当再投資向け銘柄といえます。
イギリスとオーストラリアは株主還元の意識が高いのも安心材料です。
イギリスADR
ティッカー |
銘柄(英語) |
事業内容 |
市場 |
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AZN |
Astrazeneca |
英国の総合製薬会社 |
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BCS |
Barclays |
英国の大手金融グループ |
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BP |
BP |
英国に本社を置く石油メジャー |
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BT |
BT Group |
英国の通信サービス会社 |
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BTI |
British American Tobacco |
英国のたばこ企業グループ持株会社 |
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DEO |
Diageo |
英国の高級アルコール飲料メーカー |
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GSK |
GlaxoSmithKlein |
英国の総合製薬会社最大手 |
|
ロンドンに本店を置く世界的総合金融グループ |
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IHG |
InterContinental Hotels Group |
イギリスに本社を置くホテル運営会社 |
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MFGP |
Micro Focus International |
英国でソフトウェアの開発、製造、販売、保守を手掛ける会社 |
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NGG |
National Grid |
英国でガスの供給を手がける公益事業会社 |
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Pearson |
教育事業とメディア事業の子会社を傘下に持つ英国の持株会社 |
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PUK |
Prudential |
イギリスに本社を置く保険会社 |
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Royal Bank of Scotland Group |
英国の大手金融グループ |
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RDSB |
Royal Dutch Shell B |
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Rio Tinto |
英国、豪州を拠点とする国際鉱山会社 |
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SNN |
Smith & Nephew |
イギリスの先端医療機器メーカー |
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UL |
Unilever |
英国の消費者向けブランド品、パッケージ品のメーカー |
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VOD |
英国の音声・データ通信をはじめとする移動通信サービス会社 |
オーストラリアADR
*SBI証券サイトより
おススメ配当再投資向け高配当銘柄をまとめると、(利回り 2017/10/27時点)
<エネルギー>
BP 6.2%
ロイヤルダッチ(RDSB) 6.5%
<金融>
HSBC 4.1%
ウェストパック(WBK) 5.4%
<製薬>
グラクソスミスクライン (GSK) 5.4%
<タバコ>
フィリップモリス(PM) 4%
といった銘柄が良さそうです。ここで上げた銘柄はJ-REITよりも利回りいいですね。
注意点としては、ここで上げたエネルギーや金融などは景気に左右される業種であるため、好みは分かれそうです。例えばエネルギーの2銘柄は、EPS<配当金の状況が続いており、この状況が続くようだと減配リスクがないとは言い切れません。
つみたてNISAでは投資信託のみが対象になるため、先日紹介した楽天全米株式インデックスファンドがおススメですが、通常のNISAを選択している人には、今回紹介した個別株をポートフォリオに組み込むのもよいと思います。