香港最大リートのLink REITがシンガポールの物件を取得

香港最大の商業リートであるLink REITがシンガポール郊外のショッピングモール2物件を取得しました。取得した物件はJurong PointとThomson PlazaでS$2.16 billion規模(約2160億円)の取引となりました。これによって、Linkはシンガポールの商業施設オーナーのTop10に入りました。両物件は稼働率もフルとなっており、年間でS$106 millionの収益が想定されています。

 

香港リートはシンガポールに次ぐ規模でアジアREITを牽引する存在ですが、Link REITはその時価総額の半分を占めるほどの巨大リートです。香港リートは中国本土への進出が期待される一方、近年はオーストラリアなど中国以外での物件取得が多くなっています。

中国への投資拡大が期待される『香港リート』 | 三井住友DSアセットマネジメント

2019年時点では上記レポートで記載がある通り、中国本土の比率を上げていたものの、不動産大手の中国恒大集団デフォルトなど不動産バブルが弾けたことで中国本土への投資にブレーキがかかっています。今回のシンガポール物件取得もそのような背景があったと考えられ、今後も中国不動産投資に回っていた資金が代替投資先としてシンガポールに向かってくる可能性も増えそうです。

 

そしてシンガポールと共に中国から逃避する資金が向かっているのが日本です。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事でも出ていますが、日本に移住する中国人富裕層が大幅に増えており、ジャック・マー氏も日本を選んだことで話題になりました。日本はアメリカやシンガポールに比べ、投資家ビザを取得する金額も低く(アメリカ80万ドル、シンガポール185万ドルに対し、日本は4万ドル。)、安全な環境に加え、すでに中国人が多く滞在している点なども日本が選ばれる要因のようです。中国では現在コロナの感染爆発が起きており、入国制限を行う国も出てきましたが、2023年も日本やシンガポールなどアジア周辺国にどのような影響が出るのか引き続き注目です。

 

Link REIT Website: 

https://www.linkreit.com/en/home/