ついに米国10年債の利回りが4%に到達しました。それに伴い住宅ローン金利は7%を越えています。これにより一貫して株式・債券は下落しています。
8日の取引で米10年国債利回りが一時７ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上昇の4.015％と、2008年以来の高水準に達した。連邦準備制度のタカ派姿勢に加え、日本が保有する米国債を売りかねないとの懸念も表れた。
４％超えは2010年４月以来。年初来での上昇幅は約250ｂｐ。ブルームバーグの米国債指数によると、米国債は今年14％値下がりで少なくとも1973年以来の大きな下落に向かっている。
さらに英国でも同様に金利上昇で債券市場や住宅市場が崩壊しています。
英国では金利急騰を受け、住宅金融機関がローンの提供を一部取りやめ、住宅購入契約が急激に落ち込む恐れが出てきた。
最大手のロイズ・バンキング・グループは「住宅ローン市場の価格設定が著しく変化した」結果として、傘下のハリファクスが一部商品の取り扱いを中止すると発表し、ヴァージン・マネーＵＫも新規顧客への住宅ローンの提供を一時的に停止すると明らかにした。27日にはケンジントン、アコード・モーゲージズ、ホッジといった中小業者も追随した。
そして、その債券市場崩壊が年金の超長期債ポジションのマージンコールにあったということで、金融市場のシステムリスクが表面化してきました。この事態を重くみたBOE(英中銀)は急遽、予定していたQT開始を延期し、国債買い入れを行うQEを継続することを決めました。
イングランド銀行（英中央銀行）は２８日、市場の安定化に向け、６５０億ポンド（約６９４億ドル）に上る長期国債の一時買い入れを開始すると発表した。予定していた国債の売却は延期する。
「９月２８日から英長期国債の一時的な買い入れを実施する。市場の秩序を回復することが買い入れの狙いになる」との声明を発表した。英中銀は「市場の機能不全が継続ないし悪化すれば国内の金融安定に甚大なリスクが生じる。資金調達環境の正当化できない逼迫と実体経済への信用供与減少につながる」と指摘。介入する以外に選択肢はなかったと述べた。
UK pension funds have been hit with variation margin calls of as much as £100 million ($107 million) each, after sharp falls in gilts and sterling pushed mark-to-market valuations on derivatives and leveraged repo positions heavily against them.
Pension funds face large margin calls on the interest rate derivatives and asset swaps they use for asset-liability hedging. Some are also being asked to post additional collateral against leveraged gilt repo positions, as well as foreign exchange derivatives used to hedge US dollar assets.
“From a pension fund perspective, the pain is only just starting, because there are now points where they’re called for cash, and it takes too long to turn up. So, you’re in a situation where you have to consider whether you can retain existing hedges or not, and at that point you run the risk of large scale unwinds,” UK LDI manager says.
年金のマージンコールの話は、いうなればリーマン・ショックの時と同じで、マージンコール解消のための現金化を目的とした資産売却につながり、それが負のサイクルとして続いてしまいグローバルマーケット全体に波及してしまうおそれがあります。BOEが「介入する以外に選択肢がなかった」といのも納得です。今回のBOEの措置により、9/28の米国マーケットは大きく反発しており、S&P500は+1.97%の3719で引けています。ベアマーケットラリーが続くかに焦点があたっています。マーケットが底打ちを見せるのか注目です。
