マーケットの転換点か?! FED利上げペース減速を検討。 政府・日銀は9/22以来約1ヶ月ぶりの為替介入を実施。

10/22,米国株式市場オープンを控える日本時間22時ごろに、FEDウォッチャーのNickによる重要なリーク記事が出ました。FRBが11月に75bpの利上げを実施した後、12月では利上げペースを減速し50bpの利上げについて議論を開始しているという報道です。

米連邦準備理事会(FRB)は11月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%ポイントの追加利上げを実施し、12月会合で利上げペースを緩める可能性性を巡りどのようにシグナルを発するべきかを討議する公算が大きい。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた

これは株式にとっては追い風となるニュースで、現在のベアマーケットから転換するきっかけになるかもしれません。一方、ペースを減速することで、株価ラリーでマーケットが上げすぎることも同時に懸念しており、ドットチャートを上げて相殺する可能性も示唆しています。どのような関連コメントが出るのか、次回のFOMCに要注目です。

 

さらに23時35分あたりに、政府・日銀による為替介入が実施されました。22日は円安が進み、前日比1.8円程度上げた152円目前の151.9円台と32年ぶり円安水準を更新していました。ここで為替介入が入り、一時146.1円台までと約5.8円程度押し戻しました。(インターバンク市場では144円台で7円急騰したとのこと)。上記Nickの記事がリリースされ米国債券が買われたタイミング(金利低下)と重なったこと、さらにロンドン勢が帰路につくタイミングであったことで、大きく円高方向に持っていくことに成功しています。


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鈴木財務相や神田財務官から「行き過ぎた変動には断固として対応する。」というコメントが先週出ていたので、この2週間ほど為替介入がいつくるかとマーケットの警戒が続いていました。日本時間9-10時が可能性高いという話もありましたが、今回は米国マーケット時間(前回は欧州マーケット時間)といずれも、日本マーケットがオープンしている時間ではないタイミングでの介入となりました。

政府からのメッセージの介入警戒度については、下記記事でまとめています。

前回9/22の為替介入時も前日比で1.9円程度上げたところで介入に入り、約5.5円ほど押し戻したことから、今回の介入との類似点を探ると、"①1日で2円の上昇は許容しない②介入で押し戻すのは5.5円程度の幅 ということが今のところ見えてきています。単独介入ではまた元の水準まで戻ってくる可能性もあり、再度介入警戒のタイミングになった時には頭に入れておきたいところです。

 

今回のNickの記事の通り、ドルの利上げペース減速が見えてくると、ドル円も天井をつけ相場が反転する可能性が出てきます。ここまで高金利によるスワップ目的でドル円ロングをしていたFX投資家はレバレッジを落とし、相場反転に備える必要があります。株式市場と為替市場どちらにとっても重要な局面で、相場の転換点ではボラティリティが高くなる傾向があります。株式については買いポジションに傾けつつレバレッジはかけないなど、リスク許容度に応じたポジションサイズを再度確認しておきましょう。また、来週はGAFAMの決算もあるので各々の業績にも注目です。