<概要・特徴>
シンガポールとオーストラリアのショッピングモールに投資しているREIT。特に旗艦物件のParagonはシンガポールで有名で、ショッピングエリアの中心地オーチャードロードにあり、グッチやプラダなどの高級ブランドがテナントとして入っているデパートになります。クリスマスの時期にはオーチャード周辺でたくさんのイルミネーションが見られますが、Paragon前のツリーも毎年人気です。
スポンサーであるSPH(Singapore Press Holdings)はStraits Timesなどを発行するシンガポールの新聞・メディア大手でしたが、業績不振によりこれらの事業を切り離し、不動産事業会社となりました。2022年3月にはHPL連合に買収されています。
価格: 0.89SGD 時価総額:2,499 M SGD 配当利回り: 6.3% (2022/10/10時点)
直近の決算はGross revenue 281M SGD (YoY+1.7%), NPI 209M (YoY+3.5%) 共にYoYでプラス成長となっています。配当額も5.52 cents (YoY +2.2%)と増加しています。
*今年度よりFiscal Yearの締め月を8月から12月に変更し、2022年12月末が本年度の期末になります。そのためFY2022は16ヶ月間となります。
ここ2年間の配当実績も堅調に推移しています。
<ポートフォリオ>
物件数は少なくシンガポールに3、オーストラリアに2物件の全5物件になります。いずれもショッピングモールです。
旗艦物件はシンガポールのParagonがポートフォリオの資産額(AUM)の60%を占めています。
ポートフォリオ全体の占有率は97.5%、特にシンガポール物件は99%以上と高い占有率を維持しています。
今後は契約更新時に賃料を上げていけるかが課題になります。現時点では全ての物件でマイナスとなっているものの、コロナ明けでテナントの売上も回復傾向にあるため、期待はできると思います。
<テナント・リース状況>
リース期限はしっかり分散化され借り換えリスクを減らしています。
借入金の71%は固定金利となっており、金利上昇リスクへの対策を取るとともに、Gearingは30%とレバレッジを抑えた保守的な運用となっています。今後新規物件取得などを実施し、Gearingを上げていく可能性もあるかもしれません。