シンガポール データセンター市場:KKRとSingTelの大型契約 揺れる評価"

データセンター市場は急速に成長しており、その価値が高まっています。しかし、最近のKKRとSingTelの取引についての情報から、この市場の評価が揺れていることが示唆されています。

データセンター市場の概要

まず、データセンター市場について簡単に説明しましょう。データセンターは、情報技術の中核を担う重要な施設であり、デジタルデータの保管、処理、転送を行います。クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)の普及に伴い、データセンターの需要が急増しています。2023年になってからはChatGPTのような生成AIによりさらに需要が伸びています。これにより、データセンター市場は急成長し、多くの投資家や企業が注目しています。

KKRとSingTelの取引

2023年8月18日、KKRとSingTelの間で行われた取引がデータセンター市場に大きな注目を浴びました。KKRはSingTelのRDC(地域データセンター)セグメントの20%の株式を11億ドルで購入し、この取引はデータセンター市場に新たな刺激をもたらすものと見られました。

しかし、この取引には興味深い要因がいくつかあります。まず、取引価格が11億ドルであることから、これに基づく企業価値(EV)は55億ドルに達し、Digital Infrastructure Co(SingTelのデータセンター事業の一部門)の歴史的なEV/EBITDA倍率は32倍にもなりました。(グローバルのデータセンターは通常10-20倍程度。)これは、デジタルインフラストラクチャーCoの1QFY2024の収益が前年に比べて減少したことから、一部のアナリストにとっては高すぎるように見えるかもしれません。

データセンター市場の成長と将来性

データセンター市場は引き続き成長し、需要は高まり続けています。しかし、取引価格や企業価値についての議論があることから、市場の評価は複雑なものとなっています。現在、データセンターの建設が進行中であり、新たなキャパシティが追加されています。さらに、データセンターはSingTelだけでなく、他の第三者にも利用されており、高い利用率が維持されています。

もし残りのキャパシティが開発され、利用率が高いままであれば、EV/EBITDA倍率は将来的には低下する可能性があります。これは、データセンター市場が今後も成長し、需要が高まることを示唆しています。

まとめ

データセンター市場は引き続き注目され、成長が期待されています。KKRとSingTelの取引は、市場の評価についての議論を巻き起こしましたが、将来の成長を支えるための投資として見なされています。データセンター市場は、テクノロジーの進化とデジタルトランスフォーメーションに伴い、今後も拡大し続けるでしょう。

 

Singtelは日本でいうNTT (Docomo)のような位置付けのシンガポール最大の通信会社ですが、データセンター特化という観点ではKeppel DC REITが投資対象となります。直近の決算については下記にまとめています。