昨年年末から年初にかけての取引でゴールド、シルバーなどのコモディティが好調を維持しています。コモディティの中でも特に金鉱株にフォーカスしてForbesの記事で取り上げられています。
ピックアップされている資源はゴールド、シルバー、リチウム、ウランの4種類で、それぞれに関連する推奨銘柄が記載されています。
Gold: Barrick Gold (GOLD) , Agnico Eagle Mines (AEM), SSR Mining (SSRM), Dynacor (Toronto:DNG)
Silver: Pan American Silver (PAAS)
Lithium: Sociedad Quimica Y Minera (SQM)
Uranium: Uranium Energy Corp (UEC)
Goldは4銘柄リストされていますが、王道はBarrick Gold。金鉱株で業界2位の大手。残り3銘柄は中小型株でユニークな位置付けの銘柄となっています。Silverでは2022年度に銀生産高を大きく伸ばしたPan American Silver。Lithiumでは世界2位の産出量を誇るSociedad Quimica Y Minera (SQM)、Uraniumでは政府へのウラン供給先に選定されたUranium Energy Corp(UEC)がピックアップされています。
それぞれの推奨理由は以下となっています。
- Gold: Barrick Gold (GOLD)
- 世界2位の産出量大手。近年ではアフリカ鉱山を取得した。
- CEOのBristowによる、マイニングオペレーションの効率化、コスト削減、負債削減によるBS(Balance Sheet)強化などが上手く進んでいる。
- 上記BS改善によりnet cashがpositiveとなり、配当利回りは4%ある。PER18、PBR1.2とValuation面も割安。
- Silver: Pan Ammerican Silver (PAAS)
- 世界第2位の銀採掘企業。ラテンアメリカ・カナダでの28年以上の採掘実績がある。銀だけでなく、金、亜鉛、銅なども生産している。保有しているグアテマラの鉱山は世界でも有数の高品質な銀を産出。
- Yamana Goldのラテンアメリカ部門を買収したことで、シルバーは+63%, ゴールドは+104%の生産量まで拡大した。
- 配当利回りは2.4%。
- Lithium: Sociedad Quimica Y Minera (SQM)
- 低コストでリチウム産出可能。リチウムはEVなど強い需要が10年以上続く。
- 農作物向け肥料やヘルスケア・薬品で使われるヨウ素などリチウム以外も世界を代表する企業。グローバルでの食糧危機問題などでもアップサイドがある。
- 1994年以降、増配を継続しており、配当利回り6%と高い。
- Uranium: Uranium Energy Corp (UEC)
- 脱炭素化のグリーンエネルギーとしてウランに強い需要がある
- 北アメリカにフォーカスした最大のウラン企業で、低コストの次世代ISRマイニングでのプロジェクトを行なっている企業。
- $173million相当のCash含む流動資産があり、負債もない。
- ウラン鉱石のマイニング銘柄としてカメコに変わる有望投資先。*カメコは最大ウラン鉱石マイニング企業ですが、Westinghouse買収により上流へも進出したため、純粋なマイニング企業ではなくなった。
ゴールドやシルバーはそれぞれの商品自体にETFを通して投資することも可能ですが、金・銀価格の上昇局面では金鉱株を通して投資する方がよりレバレッジがかかり、大きな利益につながります。特に、Barrick Goldなど優良金鉱株での投資は価格上昇と同時に高配当を享受することで下落時のクッションの役割を果たすこともできます。
リチウムやウランについては、EVや脱炭素に向けたエネルギー変革を進めるにあたって不可欠な資源で、中長期的に強い需要が続くのが最大の強みです。資源関連株はシクリカル株であるため、需要が右肩上がりであっても、株価は大きく上下に循環するため、バリュエーションを見極める必要がある点は注意が必要です。リチウムについては2022年に株価が高騰していたものの、直近のテスラ株の下落に伴って株価も下がってきたため、バリュエーション面でも良い水準にきています。