9/15に会社四季報 秋号が発売されました。この連休は四季報を通読されている投資家の方も多いと思います。秋号発売のタイミングでいくつか注目銘柄を四季報編集長の冨岡氏がピックアップしてくれています。
動画では四季報でチェックするポイントについて過去事例も交えて解説したのち、個人投資家の藤川氏より5銘柄、冨岡氏より3銘柄紹介しています。
- ニップン (2001)
- 営業利益超過期待。 夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。
- 四半期進捗率 43.6%,3期平均比+23.8pt。増配も期待。
- 株価は上がっているものの利益増によりPERは11.4と夏号13.0より割安。
- 昭和産業(2004)
- 業績V字回復。夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。
- 営業組織改編を実施。中期計画で25年経常利益130億円と今期予想110億円から大きく成長。
- チャートでも2020年高値まで上昇余地あり。
- 丸大食品(2288)
- 黒字転換。夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。
- 上期で上方修正済。連続での上方修正期待。
- チャートも月足で上昇反転の兆しあり。2017年高値まで上昇余地あり。
- 北越工業 (6364) :
- 下方修正から上方修正へと反転し過去最高益。会社比強気。
- 上期通期上方修正済。建設工事需要旺盛。連続での上方修正期待。
- PER10.6まで上昇しているが、高値平均PER13.9と比較し上値余地あり。
- ワタミ (7522)
- 夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。
- 上期通期上方修正済。生産性向上、固定費削減で筋肉質になった。
- チャートでは横ばい圏から上抜け兆候あり。
- 湖池屋 (2226) :両名ピックしている銘柄
- 夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。ポテチ絶好調。
- 連続最高益、連続増配も。
- 国産ポテトを使っており、為替の影響を受けない。カルビーは輸入。
- マークラインズ(3901)
- 夏号より大幅増額、会社比強気。
- EV関連で北米中国躍進。
- SPK (7466)
- 夏号より大幅増額、会社予想比大幅強気。
- 26期連続増配。今期も増配期待。物流環境改善し。過去最高益。
- おまけ: 旭有機材 (4216)
- 夏号より利益増額、会社予想比大幅強気。
- 半導体装置向けバルブや水処理など技術的な強みがある。
秋号での注目キーワード:"防衛予算増"。安全保障に絡んだ"半導体"や"電池投資"。半導体工場に関連する北海道や九州など。IT関連では"ノーコード・ローコード","AI"など。"トレカ"、"推し"なども多い。"不正”というキーワードも増えているのでコンプライアンスやセキュリティなどにつながるか。
株主還元の観点では、元GSの斎藤氏がどのように銘柄分析を進めるかを解説してくれています。
斎藤氏がピックアップした2銘柄と選定した判断材料は
- タカラスタンダード (7981)
- 現金(800億円),保有株式(120億円)と借入控除後で840億円あり、時価総額1300億円の2/3が説明可能。PERも0.7倍と割安。株主還元余地が多くある。
- 業績は過去10年に渡り営業利益110-140億円を推移し安定している
- TBSホールディングス (9401)
- 現金970億円,保有株式5300億円(うち東京エレクトロン3400億円相当)と借入控除後で約6000億ある。
- 時価総額4500億円, PER0.5倍と割安。現金と保有株式だけでお釣りが来る上に、保有不動産の含み益も別で2200億円もある。
- 業績:経常利益350億円のうち、配当収入が150億円、不動産収入が60億円程度ある。
- 放送法により外国投資家が20%以上を持てないため、今までは株主還元が弱かった。今の株主還元トレンドで今後改善されるか?がポイント。
上記のような観点で、他にも同様の銘柄があるかを四季報を使って探していくヒントとなりそうです。PBR改善度は今回の四季報で特集されています。
四季報は各証券会社のツールでも確認できますが、前号比での情報(利益増額や四季報独自予想での強気マークなど)が明示されているため、銘柄スクリーニングが行いやすいです。今期営業利益乖離率や業績進捗率乖離率などもランキングされており、好調銘柄を効率よく発掘できます。