ホテル系REITのCapitaLand Ascott Trustが1H 2023決算を発表しました。
Revenue S$ 346.9M YoY+30%,
Gross Profit S$ 154.4 YoY +31%
DPS 2.78 cents YoY+19%
と共に前年比2桁成長と堅調な実績となりました。Revenue以上にGross Profitが伸びていることがわかります。
売上の大幅な成長を牽引したのが、ユニットあたりの単価売上であるRevPAU (Revenue per available unit)です。1H 2023は前年比+44%と大きく伸び、2019年コロナ前の98%まで戻っています。後ほどスライドが出てきますが、インバウンドが好調な日本市場の寄与も大きいです。
国別の2Q 2023のRevPAU実績ですが、日本は前年比+247%と回復が顕著で、すでに2019年のコロナ前の水準を上回り2Q 2019比で109%となっています。中国、シンガポール、ベトナムなども好調で前年比+30%以上の実績をあげています。
コロナ禍の教訓を活かし、変動売上だけでなく、長期契約などの安定した収益源を強化してきましたが、全体のGross Profit比率で58%が安定的な収益となっています。
上記のような契約体系の分散化を進めてきましたが、全ての契約タイプでRevenue, Gross Profit,RevPAUを伸ばしています。特にGross Profitの58%を占めるManagement Contractは前年比でそれぞれ+31%, +46%, +38%との成長となっています。
次にバランスシートや借入金などの財務状況について見ていきます。
レバレッジ比率を表すGearing ratioは38.6%と健全、平均借入金金利も2.3%と低い水準となっています。
借入金返済期日も分散化され、金利上昇に備えて固定金利の比率も80%と前期の75%から上げています。
最後にポートフォリオのアップデート状況を見ていきましょう。
積極的に物件の入れ替えやリノベーションを行っており、大きく3つのトピックがあります。
1つ目がフランスの4物件の売却。Book Valueに63%プレミアムを乗せた価格での売却に成功しています。
2つ目が既存物件の補修・リノベなど。新たにパリの物件の改装を3Q 2023から実施します。
最後に新規物件について。米国サウスカロライナの学生寮が完成し、2023年8月より生徒を受け入れます。6月時点で87%の部屋が予約で埋まっています。
CapitaLand Ascottの銘柄分析記事はこちら
CapitaLand Ascott Trustは2023年のおすすめ銘柄としても取り上げています。引き続き2023年後半で躍進が期待されます。