CapitaLand Integrated Commercial Trust 2023 H1 決算

シンガポールREIT最大のCapitaLand Integrated Commercial Trustが2023 H1決算を発表しました。

Gross Revenue , NPIで前年比2桁成長を達成するなど良い決算でした。ショッピングモールのテナントの売上が2019年のコロナ前を上回るなど、コロナ禍を完全に乗り越えています。2023年下半期もRetail,Office共に上期同様、堅調な推移になるとガイダンスしています。

 

 

1H 2023の実績を見てみましょう。

Gross Revenue : S$774.8M (YoY +12.7%)

NPI : S$552.3M (YoY +10.1%)

Revenue ,NPI共に前年比2桁成長を達成しています。さらにRetail, Office, Integrated Developmentの全てアセットタイプで成長しています。

各アセットクラス別での売上比率ですが、シンガポール物件からの売上が大半の93%を占めています。シンガポール内で、オフィス・リテール、都市部・郊外と上手く地理的な分散化がされていることがわかります。

配当額は1H 2023で5.30centsとYoY +1.5%となっています。NPIは2桁成長を達成していますが、費用面も増加しているため配当は微増となりました。

バランスシートにおけるレバレッジは40.4%、借入金の固定金利でのヘッジは78%と盤石な状態となっており、現在の高金利環境下でも高い耐性があることがわかります。

 

次にポートフォリオの状況を確認していきましょう。

ポートフォリオ全体での稼働率は96.7%と前四半期から0.5ポイント改善しています。Retail,Office,複合施設であるIntegrated Development全てのアセットで改善しています。

 

次にそれぞれのカテゴリー別での詳細を見ていきましょう。

まずはRetailです。Retailについてはアフターコロナの恩恵を受け、買い物客が大きく戻ってきていることがプラスとなっています。物件の稼働率98.7%と継続して改善されており、既存店舗の更新率も86.8%といずれも高い数値となっています。賃上げも+6.9%とインフレ環境に適応していることが伺えます。

次にオフィスですが、こちらも稼働率は95.4%とQoQで0.6ポイントの改善、さらにシンガポールオフィスでは賃料も+9.6%と大幅に値上げすることに成功しています。

次に複合施設ですが、全ての物件で改善傾向を見せています、基幹物件であるRaffles CityもRetail部分のリノベーションを終え、通常傾向となっています。

 

シンガポールREITの主要セクターである、オフィスとリテールが堅調である点が今回のCapitaLand Integrated Commercial Trustの決算で確認できました。2023年下期のシンガポールREIT指数も堅調な推移が期待されます。