CapitaLand Integrated Commercial Trust 2022 Q4決算

シンガポールREIT最大のCapitaLand Integrated Commercial Trustが2022 Q4決算を発表しました。Gross Revenue , NPIで前年比2桁成長を達成するなど良い決算でした。

 

2H 2022の実績を見てみましょう。

Gross Revenue : S$754.1M (YoY +14.4%)

NPI : S$541.7M (YoY +13.1%)

Revenue ,NPI共に前年比2桁成長を達成しています。さらにRetail, Office, Integrated Developmentの全てアセットタイプで成長しています。

続いてFY2022年間トータルでの実績です。

Gross Revenue : S$1,441.7.1M (YoY +10.5%)

NPI : S$1,043.3M (YoY +9.7%)

Revenue ,NPI共に前年比でプラスを達成しており、こちらもRetail, Office, Integrated Developmentの全てアセットタイプで成長しています。

各アセットクラス別での売上比率ですが、シンガポール物件からの売上が大半の93%を占めています。シンガポール内で、オフィス・リテール、都市部・郊外と上手く地理的な分散化がされていることがわかります。

配当額は2H 2022で5.36cents, FY2022 totalで10.58centsとYoY +1.7%となっています。

 

バランスシートにおけるレバレッジは40.4%、借入金の固定金利でのヘッジは81%と盤石な状態となっており、現在の高金利環境下でも高い耐性があることがわかります。

 

次にポートフォリオの状況を確認していきましょう。

ポートフォリオ全体での稼働率は95.8%と前四半期から0.7ポイント改善しています。Retail,Officeは改善しているものの、複合施設であるIntegrated Developmentでは微減しています。

それぞれのカテゴリー別で、まずはRetailです。Retailについてはアフターコロナの恩恵を受け、買い物客が大きく戻ってきていることがプラスとなっています。物件の稼働率98.3%、既存店舗の更新率も89.1%といずれも高い数値となっており、賃上げも+1.2%とインフレ環境に適応していることが伺えます。

 

次にオフィスですが、こちらも稼働率は94.4%とQoQで0.3ポイントの改善、さらにシンガポールオフィスでは賃料も+7.6%と大きく値上げすることに成功しています。

 

唯一稼働率が減少してしまった複合施設ですが、基幹物件であるRaffles CityのRetail部分が91%と大きく減少してしまったことが影響しています。これはRaffles Cityでリノベーションを行っているため、一時的な要因で下がっていますが、特に懸念する必要はないです。

 

最後に指標面を確認しておきたいと思います。

配当利回り、PBR共に昨年後半で大きく下落していましたが、直近ではいずれも4年間の平均あたりの水準となっています。

 

銘柄分析は下記の記事で取り上げています。

CapitaLand Integrated Commercial Trustは2023年おすすめリートとしてもピックアップしています。