シンガポールREIT最大のCapitaLand Integrated Commercial Trustが2022 Q3決算を発表しました。総括して順調な実績でした。
全体のポイントとしては
- 契約更新に伴う賃上げはオフィス、リテール共に上手くいっている
- 占有率もQoQ+1.3%改善しており、市況も回復傾向にある。
- 一方、インフレによるエネルギーコストや金利コストも上昇している。
詳細の数字を下記チェックしていきましょう。
Revenue: S$374.1M (YoY +13.7%)
NPI: S$273.3M (YoY +12.7%)
Revenue ,NPI共に前年比2桁成長を達成しています。さらにポートフォリオ全体ではもちろんのこと、Retail, Office, Integrated Developmentの全てアセットタイプで成長しています。
レバレッジ比率は41.2%と6月の40.6%より微増、借入金の平均金利は2.5%とこちらもやや増加しています。借入金の固定金利比率は80%で、金利上昇対策として良い水準を維持しています。
ポートフォリオ全体での占有率は95.1%と前四半期より1.3pt改善しています。特にオフィスは94.1%と2.2pt改善しています。
それぞれのセクター毎パフォーマンスを見ていきましょう。
RetailはAfterコロナになってから順調に伸びています。契約更新時の賃料も+0.6%の値上げ、Retention rateも88.5%とテナントをしっかり維持しています。賃上げは郊外のショッピングモールが+1.8%と好調であったことが寄与しています。
オフィスはポートフォリオ全体の占有率は94.1%でした。シンガポール物件の占有率が96%(QoQ +3.1pt)と大きく改善しているものの、ドイツ・オーストラリアについては、あまり改善されていない状況です。オフィス賃料は+7.9%と大きく上昇。Retention rateも86.9%と維持できています。
2022 2Hの年度末に向かって、Q3はよい折り返しをできています。9,10月とマーケット全体の下落に伴い、価格は軟調に推移していますが、ファンダメンタルズは問題ないことが確認できた決算でした。
参照:決算資料
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