和製ソロスこと浅井氏 : 円安は長期的に続く。日本復活のシナリオとは

和製ソロスこと浅井氏インタビュー動画の第二弾が公開されています。今回は日本市場についてをメインに話しています。

前編の記事はこちら。

動画でポイントなる点は以下、

  • 日本経済の低迷期について
    • これまでの30年で、一人当たりの所得は低下。先進国内でも見劣り。世界的にも存在感は低下し”GDPで世界3位の国”という視点では見られていない。
    • 少子高齢化以上に、コストカットで賃金が伸びなかった。自動車を筆頭とした耐久消費財の消費低下。世界的な購買力も大幅に低下した。
  • 為替動向について
    • 円安からの転換となる要因はアメリカの不況のみ。日銀側でカードを持っていない。
    • BSが大きすぎるが故に、BS引き締めはできず、国債買い続けるしかなく、70兆円規模の円安圧力が残る。為替介入しても10兆円程度で短期的なインパクトのみ。150円で円安が止まるとは思えない。
    • 第二次世界大戦の敗戦でリセットされたように、経済敗戦があるまで、政治面含み日本の仕組みは変わらない。
    • 日本の国力が下がると国債格付けも下がる。シングルAからBBBになると銀行のドル調達コストも上がる。そうなるとドル円が上がる。トリガーがすぐそこにあるわけではないが。
    • 基本シナリオはジリジリと円安が進み、格下げで段階を一段上げるというのが続くイメージ。アメリカ失業率が上がるタイミングで円高になる時がスポット的にある。
  • 日本経済復活に必要なもの
    • 簡単ではないが、Appleのようなゲームチェンジできる企業をまず1社。昔のソニー。必要なのはイノベーション。"イノベーションは、作るべくして作る"その鍵は"教育"。日本は優秀な人が医者になっている。米国ではテック企業に行っている。30年前は、富士通やNECなどに優秀層が行っていたので、そう遠いことではない。ちなみに浅井氏のお子さんは医学部とのことw

総括して、構造的な円安圧力は相当なものであることがインタビューを通して伝わってきます。10年単位での長期的なビューで語られているようなので、短期的にはアメリカの不況で円高になる場面があっても、円安構造は変わらないと見ているようです。2023年になってから話題のAI関連に、日本政府も力を入れていますが、日本経済復活のキーとなるイノベーションにつながるのか、世界的な日本の立ち位置にも注目です。