中国”経済失速”の真実

今や世界の景気動向に直結する中国経済。その最新の実態に迫った番組"調査報道 新世紀中国経済失速の真実"が先日NHKで放送されました。

不動産不況の渦中にあり、経済の長期的な低迷への警戒が高まる中国。はたして実態はどうなのか-。NHKスペシャルの新たなシリーズ「調査報道・新世紀」が始まる。国内外のさまざまな「謎」や「課題」に対して、従来の“足で稼ぐ取材”に加え、最新の“デジタル技術”を駆使した調査報道で迫る。連携するのは、世界中の研究者や市民たちだ。第1回は、日本や世界にも影響を与えかねない中国経済の知られざる実情に迫る。

公式統計データだけではなく、SNSや現地取材、衛生データなどを使って分析を行う番組。特に中国は政府発行の統計数値が疑わしいと言われることもあり、今回のような外部からのデータを活用した内容はとても興味深いものでした。内容としては都市部ではなく、債務比率の高い地方に焦点を当てています。

 

下記いくつか気になったポイントを箇条書きしてみました。

  • 不動産関連業は中国GDPの1/4を占める。世間での見た目以上に状況は悪い。建設、サービス、エネルギーなど複数の業界が影響を受けている。
  • 労働者デモが中国全土に広がっている。賃金支払いが滞っているなどが理由。デモ全体の半分を中・西部(農民工が多いエリア)が占める。
  • 地方融資平台を起点とした不動産開発が中国GDPを支えていた。しかし中国恒大破綻問題以降、資金繰りなどの問題を起こしており、地方政府の債務危機懸念がある。融資平台の隠れ債務は約1100兆円規模(2022年末)。公式統計データの債務700兆円よりも規模が大きい。ワーストの天津は債務比率1000%超。
  • 地方では建設途中で中断した橋や道路、住宅など無駄な公共インフラ・プロジェクトが多い。立ち退き後の住民への支払いも滞り、住宅建設も進んでいない。GDP押上げの地方投資が歪みを産んでいる。
  • 衛生データでの分析(夜間照明の光量からGDPを推計)では中国公式GDPの成長率と比較し平均3%程度低いと分析している。
  • 家計債務:年々増えており2022年末で約1400兆円。不動産売買が低迷、ローン返済に困窮。

文字で見る以上に、映像と合わせて見る方がよりインパクトのある内容となっています。11月11日深夜1時半より再放送、もしくはNHKプラスやNHKオンデマンドでの見逃し配信でも見れますので、興味ある方はチェックしてみてください。