NVIDIA決算が示した今後のAI市場の展望

先日、最も注目とされたNVIDIAの決算が発表され、コンセンサスを大きく上回る決算を叩き出しました。EPS, 売上、ガイダンスとどれだけ大きく上回ったかは過去の推移と合わせてグラフ化している下記こばさんのツイートがわかりやすいです。

データセンター分野で前年比171%の成長と、AI関連ビジネスの売上成長が凄まじいことがわかります。FY24Q1決算時に出した上方修正ガイダンスをさらに上まるQ2決算を出し、さらにQ3ガイダンスもさらに成長が加速する見立てとなっています。

楽天証券アナリストの今中さんの動画で2024年、2025年の予想実績を元に予想PERを出していますが、2024年1月期予想PER48.9、2025年1月期予想PERは27.3と中長期で妙味のある水準で目標株価は$760とコメントしています。リスクとしては①データセンター事業(AI用GPU)が成長しすぎたあまり、中核事業に偏りが出過ぎていると株式市場が評価する可能性がある点、②企業にとってはAIへの投資は情報化投資のうちの一つなので、景気変動を受ける可能性が長期的には出てくる点を指摘しています。

 

そこで今回は、NVIDIAのみならずAI市場全体が今後どのように成長していくかをiCapitalがまとめたレポートで確認していきたいと思います。

  • AIマーケットの市場規模はCAGA19%で成長し、2026年に$900 Billionとなる。
  • NVIDIAのGPUなどハードウェアのTAM($40B)よりもソフトウェアのTAM($790)の方が2026年時点で20倍近くなる。関連ITサービスのTAMは$70B予想。

 

AI市場は大きく、複数年をまたがって拡大期が続く。多くのアナリストの数値はコンサバになっている。

Exhibit 4: AI stocks, especially the mega-cap names, have risen materially year-to-date

Exhibit 5: The median AI-exposed company doesn’t look too extended and may have potential upside

 

iCapitalレポートの結論としては、「AI関連銘柄は現時点で短期的な目線でしか評価されておらず、その恩恵が株価へ全ては反映されていない。そのため、長期投資家にとっては、今の株価調整は割安で買えるチャンス。」とまとめています。