大手スポンサーMapletree が運営するIndustrialリート。シンガポール証券取引所に上場するIndustrialリートでも最大級の銘柄です。
<概要・特徴>
価格:2.67SGD 時価総額:7,146M SGD 配当利回り:5.1% (2022/4/15時点)
2010年の上場以降、着実に資産規模を拡大しています。
2021年5月にUSのデータセンター29物件を買収したことで、ポートフォリオの約半分はUSのDCとなっています。もはやデータセンターリートと呼べるぐらいの比率です。
コロナ以降、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだことで、データセンターへのニーズが大幅に増加しました。リモートワーク銘柄や半導体銘柄が大きく上昇したのと同じ追い風を受けています。AIや5G, IoTなどが加速することでもデータセンター需要は増えるため、長期的に続くトレンドだといえます。
シンガポールのIndustrial reitは10銘柄あり、Mapletree Industrial Trustは3番目に時価総額の大きい銘柄となります。
<Industrial reit 時価総額top3 (as of 2022/4/15)>
強みとしては、スポンサーが強力であり、良質な物件を持っている点があげられます。
さらに2022年4月時点で外部環境も良く、REIT全セクターの中でもIndustrialが最も良いと評価しているアナリストも多いです。
<ポートフォリオ>
具体的なポートフォリオを見ていきましょう。
冒頭で上げたData Centerの他にHigh-Tech BuildingやBusiness Parkなどがあります。
カテゴリー別資産規模はData Center (53.2%)の割合が突出して高く、地域別ではシンガポールと米国がおよそ半々となっています。
物件の稼働率も93.6%と良好です。
<配当状況>
DPU(配当額)も順調に伸びています。配当利回りは5%とシンガポールREITの中では高い水準ではありませんが、配当額の伸びや投資価格の伸びが期待できる銘柄です。
<テナント・リース状況>
hpやAT&Tなどグローバル優良企業を中心に上手く分散されています。(テナントとの再契約率もFY21/22Q3で84%と良好。)
リース期限についても特定の年に集中することなくFY22以降分散されていることがわかります。特定顧客や特定期間に偏りすぎてないことで、不動産市況が悪化しても乗り切ることができます。
最後に財務状況を確認しておきましょう。
<財務状況>
レバレッジratioは39.9%と過度にレバレッジかけずに強固なバランスシートを維持しています。ローン返済も特定の年に偏らずに分散が効いています。
本記事で抜粋したスライドは下記IRサイトの資料を使用しています。