ポーカーと株式投資の共通点 - アジアの時代。シンガポールREIT投資部

プロポーカープレイヤーの木原直哉氏が株式投資について語る珍しい動画がアップされていました。ポーカーは不完全情報ゲームに分類され、株式投資との共通点も多いと言われています。

投資とポーカーの共通点
- ①相手の情報がわからない②運の要素がある③リスクを取らなければならない④スキル発揮の要素が大きい
スキルとは？：空売り残り、信用(一般、制度)の中身、歩み値での大口の動き、決算短信の確認(特に不動産株はわかりやすい)、大株主の確認、
素人が株を買う時のポイント
- 自分が使っている会社、ファンである会社。動向の変化に気づきやすく、売買のタイミングが判断しやすい。
株を売るタイミング
- その会社や商品の魅力が下がった時。
- 株価が上がり割高になった時。
- 自分の想定より悪いニュース・決算が出た時。
企業価値の判断方法：適正な時価総額は横の会社と比較し、売上・営業利益と時価総額の比率を見ている。大株主が売って需給要因で下がっている場合は、"買い"判断。

2本目の動画はより具体的な銘柄を取り上げて、木原氏が当時どのように判断して売買したか解説してくれています。

具体例：ランシステム、明和地所
売上、営業利益がじわじわ上がっている銘柄。業績が伸びていればいずれ株価に反映される。
中小型株を狙うのは、時価総額が小さくプロの機関投資家が入れないため。スタートアップやIPOは値動きが読めないため買わない。
"下がらなければ勝ち。負けなければ勝ち"。ポートフォリオの1銘柄が底値で推移しても気にならない。
投資スタイルとして買い下がりが多いため、株数を買い集めた時には含み損になっていることがデフォルト。すぐに反転して株価上昇した時にはあまり株数が集まっていない時が多い。
外部要因で価格だけが下がった場合は売らない。むしろ割安と考える。ただ、外部要因により実質的価値が下がったと考えれば売る。

今回の動画と合わせて木原氏が株式投資についてブログにしている記事もありました。大半はポーカーについてのブログ記事で(プロポーカープレイヤーなので当然ですが、、、)、年に1回程度、株式投資について木原氏の考えをまとめているようです。直近2記事は以下の”優良バリュー株の見分け方”と"トレードと投資と時間軸"というタイトルのものでした。どちらも興味深い内容で、動画で話に出ていたオーナー社長の話などもブログで出てきています。

低PERなど割安株であっても売上・利益が伸びていないと株価は上がりにくい。いわゆるバリュートラップ
割安株が上がるためには次の3つが重要
- 配当
- 自社株買い
- 業績(売上・利益)成長
経営者が大株主の2パターン
- さらに企業を成長させようとアグレッジブに動き、企業価値を増加させるモチベーションのある経営者
- 人生上がりと考えて、悠々自適な生活を優先し、企業価値増加に関心が薄い。(大株主のため、配当を増加させようという外圧もない.)

株式投資には短期トレードや長期投資家など時間軸の異なる参加者がいる。
必勝法を体系的にまとめるのは難しいが、簡単に負けるパターンはある。
短期トレード向きの、旬テーマで短期で盛り上がっている(バリュエーションが高くなっている)銘柄を中長期の観点で投資してしまう。すると高いバリュエーションで買うことになるため、通常のバリュエーションに戻るフェーズで、含み損を抱えてしまう。着実に年数を上げて財務実績を上げていっても、なかなか元の株価まで戻るのにも時間がかかってしまい、含み損期間が長く投資機会もロスしてしまう。
つまり、”簡単に負ける投資方法は、盛り上がっている株を良い株だと思って中期以上のスパンで購入すること”
勝っている個人トレーダーは盛り上がりそうな株を買ったり、盛り上がっている時にさっと入ってさっと抜けることで利益を得ている。(それが難しいところではあるが。。)
トレーダーではない一般の投資家ができること
- 基本はインデックス投資
- 個別株であれば、自分が利用している会社の株。優待があれば尚良い。
- 多くのトレーダーが良いと言っている、盛り上がり中の株は買わない。
- 株が暴落して投資家がギャーギャー言っているタイミングで買う。
木原氏が意識している点
- 数年間スパンでしっかり利益が出続けていて、直近で利益が増えている会社
- 数ヶ月スパンで業績が伸びそうな分野
- 盛り上がってなくて、人気がなく、値動きが小さい会社
- 配当がそこそこ(3%前後以上)ある会社