SOMPOアセットよりシンガポールREITファンド登場

SOMPOアセットマネジメントが2022/11/14付でシンガポールREITに特化したアクティブファンドをリリースしました。

毎月分配型と資産成長型(配当再投資)の2種類でファンド運用されます。シンガポールマーケットやREITについての基礎情報が販売用資料にまとめっていたので、今回はそちらを見ていきたいと思います。

<シンガポールの概要>

シンガポールは国土が狭いものの、一人当たりGDPやスマートシティランキングなどで世界の上位にランクインしています。

ショッピングモールなどのRetail系リートではオーチャードのようなショッピングエリアの中心地にある物件が多いですし、オフィス系ではCBD(Central Business District)と呼ばれるマリーナ・ベイ近辺にある物件が多いです。リートとは関係ないですが、中央にある原生林と記載されているエリアはシンガポール動物園などがあり、シンガポールはジャングルであったところから開拓されたんだなぁと感じることができるエリアです。マリーナ・ベイ・サンズのような都会的な側面がフューチャーされがちですが、観光に来られた際にはぜひこういったエリアも回って欲しいなと思います。

シンガポールは狭い国土を有効に活用する意味でも、長期的な都市計画に則り開発が進められています。今でもMRT(地下鉄)の路線が順次拡大していますし、コンドミニアムと呼ばれる住宅施設や住環境も整備されています。

 

<シンガポールREIT概要>

シンガポールREIT市場の時価総額は、この10年で3倍以上に拡大しています。業種別に見ると、産業施設が40%、商業施設が32.3%と多くを占めています。J-REITではトップ比率であるオフィスセクターは7.1%のみとなっています。

配当利回り面では、2022年8月末時点で4.8%と主要リート内でトップの配当利回りとなっています。9,10月の指数暴落後の現在は利回り7%とかなり高い水準になっています。注目すべきは右側表の「平均利回りとリスク」で、シンガポールREITは高い平均利回りを誇りながらも、低リスクであることがわかります。これはシンガポールREITが基本的に割安水準であることが起因しており、価格上昇によるキャピタルゲインを取るにはボラティリティ的に他国に劣後しているものの、長期投資の配当狙いの観点からは魅力があるという裏付けにもなります。

2016年以降の円ベースでのパフォーマンスを見ても、他国リートを上回っていることがわかります。リターン/リスクratioが0.80と他を圧倒しています。

ここでは3つの特徴を挙げていますが、やはりMAS(シンガポール金融庁)の管理の元、財務の健全性と運営の透明性という点が一番の強みです。コンプライアンスをおざなりにするような無法地帯となっているようなマーケットでは投資する価値はありません。SGXは世界のハブとなれるよう海外からの投資が促進されるように誘致をしています。また、SGX上場リートはシンガポール国外にも物件を保有し、世界市場への分散化も期待できます。

 

最後に銘柄紹介とファンドのポートフォリオ例が記載されています。

基本的には時価総額の大きいREITを中心とした構成で、優良銘柄が多く含まれているように思います。優良銘柄を揃えても予想配当利回りが6%と高配当となっている点は、シンガポールREIT最大の長所ですね。産業別で見ると、シンガポールREIT全体よりもややオフィスの割合が多めとなっています。国別ではシンガポールが51%、次いで米国15%、オーストラリア9%と、上位3カ国で75%となっています。

 

インデックスとは異なるアクティブファンドでαを狙いたい方には、本ファンドが投資対象になってきますし、シンガポールREITインデックスでのパッシブ投資で良いと感じる方にはETFで良いと思います。アクティブファンドであるがゆえに、信託報酬が1.573%と少し高めではありますが、それを上回る超過利益が出せるか、今後注目してパフォーマンスを見ていきたいと思います。

 

参照:シンガポールREITファンド(資産成長型)(愛称 Sリート) | SOMPOアセットマネジメント 販売資料より。