ベアマーケットだからこそ投資ポートフォリオを見直そう:最適なREIT組み入れ比率

投資ポートフォリオの構成はリスクを抑えつつリターンを最大化させるための大事な要素です。特に今のようにボラティリティの高い市況のときには自分のリスク耐性がどの程度なのかということがわかってきます。マーケットが好調の時には指数が高値から20%下落しても大丈夫と思っていても、実際に20%下落してくると想像以上に自己資金の目減りを感じ、もっとリスクを落としておけば良かったと思ったりします。

 

本来、ポートフォリオの見直しはマーケットが好調の時に行うほうが冷静に物事を把握しやすく良いのですが、今のベアマーケット環境下という投資経験が増えたタイミングで行うことでも得られる知見が多いです。そこで、REITを投資ポートフォリオに入れる際の分析がモーニングスターのレポートに出ていましたので紹介します。

米国在住の方向けの記事ではありますが、投資ポートフォリオを組む上でのそれぞれのアセット比率別にリスクと期待リターンが記載されています。(Domesticは米国、Internationalは米国以外の海外先進国を指しています。)

Domestic Real Estateの部分がREITに該当する箇所でここの比率を2%-18%まであげたときの最適なポートフォリオを機関投資家も使うBlack-Littermanモデルで最適化して計算されています。(Black-Littermanモデルとはゴールドマン・サックスに所属していたフィッシャー・ブラックとロバート・リッターマンによって1990年に考案された現代ポートフォリオ理論に基づいたモデルです。)

 

中リスクに相当するmoderateポートフォリオで株式52.6%(米国大型17.6%,海外先進国20%,新興国15%)、REITの比率は10.3%、債券37.1%(米国27.1%,海外先進国10%)となっており、期待リターンは4.1%、リスク(標準偏差:平均との差)が10%となっています。

こちらの表は年齢別の推奨割合です。面白いことにFee Base Advisor & RIAsとBroker-Dealer and Wirehouse Advisorsでは少し意見が異なっています。Fee Based Advisorはマス層(資産1 mUSD以下)と富裕層で異なったREIT配分を推奨しており、富裕層はやや比率を低めに設定しています。おそらく、資産防衛の目的を優先させるため債券比率をあげているのかもしれません。40歳以下も、それ以上の各年代も大きな差異はなくMax 13%- Min 5%の範囲となっているのは意外でした。インデックス投資家のバイブルとも言える「ウォール街のランダム・ウォーカー」の本にも年代別の推奨ポートフォリオが記載されているのですが、こちらは年齢が上がるに連れて、ポートフォリオに占める株式比率を落とし、債券やREITなどのインカムAssetの比率を上げていくことを推奨していました。 

大事な点は、リターンから考えるのではなく。自分のリスク許容度から逆算してポートフォリオを組む点です。自身のポートフォリオを見直す際に、ぜひ参考にしてください。