シンガポールの隣国マレーシア。国土の広さとは裏腹に人口は3200万人程度と少ない国です。インドネシアが2億7000万人いると考えると、より少なさが際立ってきます。そんなマレーシアですが、直近2022Q2 GDP成長率は8.9%と好調でした。Q1の成長率も5.0%成長と成長速度を加速させています。東南アジアでは珍しく資源輸出国であるため、原油の輸出などで昨今のエネルギー高の恩恵を受けていることが背景です。そのマレーシアとシンガポールの繋がりは深く、シンガポールREITでもマレーシアに投資しているものが多くあります。今回はマレーシアに投資しているシンガポールREITをみてみましょう。
リストされた6銘柄でAsset Valueのマレーシア比率が高いのはStarhill REITの15%。次いでFrasers Hosplitality Trust, Mapletree Logisticsの5%となります。(*Frasers Hospitalityは非上場化が決まっているので、実質2銘柄のみが5%以上。)Starhill REITはシンガポール在住の日本人にはおなじみのショッピングエリア・オーチャードロードにあるデパート高島屋を保有しています。隣にあるWisma Atria(こちらは伊勢丹が入っている)も保有しており、時価総額は中堅の部類ながらも、シンガポール中心部の優良物件を抑えているREITです。
そして、ここではリストされていませんが、Capitaland Integrated Commercial TrustはSentral ReitというマレーシアREITの約10.9%を持つことでマレーシア投資の恩恵を受けています。
ちなみにマレーシアにもREITはありますが、まだまだ発展途上国ということもあり、市場規模も小さく、流動性や規制などのリスクがあります。シンガポールREITを経由して投資することで、そのリスクを分散しつつ、成長国の恩恵を受けることができます。
*ホテル系REITでマレーシア比率の高いFrasers Hospitality Trustは非上場化されることが決まりました。