トゥアス新港の第一期工事完了と正式開港。次フェーズの開発も着々と進行中。

シンガポールは貿易の中継地点として世界的に確固たる地位を築いています。貿易の最も核となる”港”を強化すべく2015年から開始されたトゥアス新港(Tuas Port)の第一期工事が完了し、2022年9月1日に正式に開港しました。このプロジェクトは国内にある5箇所のターミナルを全て集約するという壮大な計画です。

シンガポール南西部に建設中の新港「トゥアス港」の第1期工事が完成し、9月1日に正式開港した。同港は4段階で開発し、2040年代の最終完成時には世界最大級の完全自動化ターミナルとなる見通しだ。また、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出ゼロ(ネットゼロ)を目指す。

リー・シェンロン首相もトゥアス新港は次世代の港となると述べており、AIや自動ロボティクスを活用した移動車両やクレーン、ドローンなど完全自動化ターミナルを目指しています。

こちらの動画を見ると、現時点でも自動化が着々と進んでいる様子がわかります。2040年までのフェーズ2,3,4が全て完了した時を早く見てみたいですね。

Port of the Future | Maritime & Port Authority of Singapore (MPA)

トゥアス新港のコンテナ年間取扱能力は2040年代の最終完成時に6,500TEU20フィートコンテナ換算)となる予定だ。シンガポールの港の取扱量は2021年に3,7467,600TEUと、前年比1.6%増加した。同港のコンテナ取扱量は過去最高を記録したが、取扱量の伸び率が低下傾向にある。中国の上海港が2010年にシンガポール港を抜いて世界最大のコンテナ取扱量に浮上して以降、シンガポール港は世界第2位の地位を維持している。

ちなみに現在Top10の港のうち8つが中国で、それ以外では2位シンガポールと9位ロサンゼルスのみが入っています。いかに中国が巨大かがわかります。

コロナ禍があったにも関わらず、当初のスケジュールからの遅れも最小限に、正式開港まで上手くプロジェクト管理したのはさすがと言えます。シンガポールは税金の使い方も明朗会計なうえに、こういった国力を強化するプロジェクトに投資し、国民が恩恵を受けられるよう運営されている点を強く感じます。この新港のみならず、地下鉄路線の拡張も長期のプロジェクトとして実施されています。今後のシンガポールのさらなる発展が楽しみです。*民間プロジェクトですが、個人的にマリーナベイ・サンズの拡張も楽しみにしていて、予定より1年遅れの2026年完了予定のようです。

米統合型リゾート(IR)大手ラスベガス・サンズは、シンガポール湾岸部で運営するIRマリーナ・ベイ・サンズ(MBS)の拡張工事が当初予定より1年遅れの2026年に完成するとの見通しを明らかにした。

以前NHKでも特集されたシンガポール海運革命についての記事です。