Ascendas REIT 2022 1H決算

シンガポール最大の産業系リートであるAscendas REITが2022 1H決算を発表しました。

 

直近取得した物件の貢献もありGross Revenue はYoYで+13.7%と大きく上昇した一方、インフレによる電気代などのUtility費用が増加し、NPIはYoY+7%, DPU +2.8% という結果でした。稼働率の改善や賃料値上げなどでポジティブな面が見られる決算でした。



物件の稼働率は94%とYoYで+2.7pts改善しています。特にシンガポールと米国の物件で大きく改善しています。QoQでも+1.4Pts良化しており、着実に改善を進めています。

 

今回の決算で気になる点は為替損失が大きく計上されている点。REIT Synposiumでもトピックとなっていましたが、シンガポール国外物件比率が高くなり為替リスクのマイナス要因を受けてしまう形となりました。主な要因は香港ドル建ての中期債での借入でSGDがHKDに対して弱かった点から生じており、USドル建て中期債でも同様の損失が発生しました。下記記事で詳細が記載されています。

 

インフレ・金利上昇の対策として、負債の80%が平均3.7年の固定レートで締結されている点、海外投資の75%はナチュラルヘッジを行いリスク管理している点を挙げています。

 

賃料も現在のインフレが進んでいる状況に合わせて、しっかり値上げされており、REITがインフレに強い資産であることを裏付けています。良質な不動産を持つREITのメリットと言える部分です。

 

現在の配当利回りは5.5%前後と2年平均の水準、PBRは平均より割安水準となっています。

新規でPhilips APAC Centreの取得も実施し、シンガポール国内のポートフォリオ強化を目論でいることが8/4にアナウンスされました。こちらはS$104.8mの案件となるようです。

https://www.businesstimes.com.sg/companies-markets/ascendas-reit-to-acquire-philips-apac-centre-in-singapore-for-s1048m

 

こちらは過去記事です。保有物件の詳細などについて記載しています。