ARK Invest 7月Webinar 「米国株は底値圏にある」

ハイグロースのテクノロジー企業に投資を行っているArk Investの7月にリリースされた「Finding Growth | ITK with Cathie Wood」の日本語吹替版が日興アセットマネジメントよりリリースされました。

今回は相場の転換点ともなり得る事項について言及されています。キャシーウッド氏はFRBは遅行指標であるCPIにとらわれるあまりデフレの兆候を無視した中での利上げを実施しており、ハト派的な方向転換を強いられるとコメントしています。これは12日に行われたArkのWebinarでも繰り返し話しており、ウッド氏が自らの分析に自信を持っている表れでもあります。

同氏はウェブセミナーで、「市場はFRBが間違いを犯していることに気づいた」と指摘。米国株は「底打ち過程」にあるとした。また銅や原油、金価格の下落は、インフレ高止まりに対する懸念が行き過ぎている兆候だと指摘した。

実際、13日に発表されたCPIは40年ぶりの歴史的高さであったにも関わらず、株価は下げ止まっており、14日のナスダックも寄り底で引けにはプラス圏まで浮上しています。本日15日には莫大な260兆円ものオプションが期限を迎えることもあり株価の動向が注目されています。「すでに1月の高値からSP500は20%以上も下げており、現金ポジション比率も高まっているため、ヘッジの必要が低下している」とも指摘され、その場合プット解消が多く発生し、合わせてオプションを発行する機関によるショートでのカバーヘッジも少なくなるため株価は上がる可能性が高まります。

 

さらにArkの動画では、6月に記録的暴落をしている暗号通貨にも言及しており、スリーアローズの破産など逆風があったものの、ビットコイン価格は持ち直すとコメントしています。

スリーアローズについては、こちらのブルームバーグの記事に詳細が記載されています。相当レバレッジを効かせており、破綻したヘッジファンドのアルケゴス事件と同様です。

仮想通貨ヘッジファンド、パンゲア・ファンド・マネジメントの共同創業者ライアン・ワトキンス氏は「3AC破綻について最も驚いたのは、そもそもなぜこれだけ大きなレバレッジをかけることができたのかということだ」と語った。「3ACが巨額の資金借り入れができたのも、業界にパニックが広がったのも、透明性の欠如が理由だ。誰のエクスポージャーか、どれほどひどかったのかは誰にも分からない」と話した。

ここの部分はサブプライムローンでの金融危機時を思い起こさせますね。仮想通貨版の金融危機と言えるような暴落でした。ちなみにスリーアローズは本社オフィスをシンガポールに構えており、今はもぬけの殻となっているようです。Suntecにオフィスが入っていたようで、Suntec REITが保持している基幹物件のオフィスになります。Suntecは下記写真のように真ん中に噴水があり、ショッピングモールやカンファレンスセンターもあるシンガポールでも有名なスポットです。