【書評】三体 0 ゼロ  劉慈欣

ネットフリックスでも実写化目前となっている三体の最新本「三体 0 ゼロ」。今回も期待にそぐわぬ至高の SF小説となっています。

14歳の誕生日の夜に“それ”に両親を奪われた少年、陳。謎の球電に魅せられ、研究を進めるうちに、彼は思いも寄らぬプロジェクトに巻き込まれていく。史上最強のエンタメ・シリーズ『三体』三部作で描かれたアイデアやキャラクターが登場する、衝撃の前日譚!

三体本編に比べるとSFミステリー度は下がりますが、純粋に電磁気学、量子力学をメインとした物理学の話も多く、特に理系の人は楽しめる内容かなと思います。核兵器など戦争を機に科学が大きく発展するケースは多いですが、本作も最新科学の兵器への応用に対する葛藤など社会学的なテーマも多分に含んでいます。特に三体をすでに読んでいる方は、本編でも登場する丁儀が活躍し、より興味を持って読み進めることができると思います。特に後半は本編に繋がるような箇所も見受けられ、タイトルの「三体 0」という意味合いに気づくでしょう。

 

三体はネットフリックスでの実写化も話題で、なんとあの「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエーターによる映像化。2024年1月リリースと時期はまだ先ですが、期待が高まります。

 

 

三体本編に関する記事はこちら。