12/20の日銀会合はサプライズでのYCC(イールドカーブコントロール)修正があり、利幅が±0.25から±0.5%まで2倍に拡大されました。これは事実上の利上げで日本国債10年利回りも上限まで一気に上昇し、国債価格は暴落しました。ドル円レートは137円台から一時131円大まで円高が進みました。日経平均も一時1000円あまり暴落しました。利上げはREITに取ってもマイナスで、東証REIT指数は-5%とこちらも暴落しています。
日銀は19~20日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を修正する方針を決めた。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大する。20日から適用する。長期金利は足元で変動幅の上限近くで推移しており、事実上の利上げとなる。変動幅の拡大は21年3月に0.2%から0.25%に引き上げて以来となる。
今回の政策会合のポイントは
- 長期金利の変動許容幅を±0.5%へ拡大
- マイナス金利政策は維持
- 長期国債買入額を月間7.3兆円から9兆円へ増額
- フォワードガイダンスは変更なし
黒田総裁は利上げではないと会見で強調していたものの、従来0.25%としていた金利上限が0.5%に上がった点は実質利上げと取られマーケットの注目を大きく集めました。目立っていませんが、国債買入額は増額させており5年債など短期債も買入を行う対象に拡大されており、金融緩和自体は維持されています。
ドル円チャート
1日で6円以上も円高が進み、2022年8月安値の水準あたりまできました。ドル円はピークアウトし、トレンドが転換しています。
金利上昇に弱いREITを見てみましょう。以前記事にした日銀金融緩和修正による影響がもろに出ており、日経平均株価以上に暴落しています。
東証REIT指数
-5.3%の暴落で1日で100ポイント以上下落しました。2022年年初の安値レベルになっています。レポートで取り上げた下落余地は-10%程度と記載していましたが、その半分である-5%下落を1日で達成したことになります。
主要J-REIT銘柄も全て暴落しており、最大時価総額の日本ビルファンドやジャパンリアルエステイトが-6%以上暴落しています。この暴落を受けて、J-REIT平均分配金利回りは4%を超えてきました。J-REITは4%を超えてくると投資妙味が出てくる水準です。しかしこの日銀政策変更は短期間で終わるものではないため、落ち着いて下がる局面で時間分散して買い集めるのが良いと思います。目安として2023年3月に地銀がJ-REIT売却を進めてくるまで本格的に買い始めるのは待ちで良いと思います。
2023年は日銀総裁の交代もあり、まだまだ金融政策周りでの動きは出てくると思われます。ドル円やJ-REITなど面白い相場になりそうです。