暗号資産大手取引所FTXが破産危機

==2022/11/12追記==

FTXはチャプター11を申請し、正式に破産となりました。負債は数兆円規模と過去最大級の経営破綻となります。

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暗号資産大手取引所のFTXが最大80億ドルの資金不足に陥っており、破産する可能性が出ています。

暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXのサム・バンクマンフリード最高経営責任者(CEO)は9日、同社が追加資金の投入を必要としており、さもなければ破産法の適用を申請せざるを得なくなるだろうと投資家らに警告した。事情を直接知る関係者1人が明らかにした。

  協議の非公開を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、同業のバイナンス・ホールディングスがFTX買収の撤回を発表する前の段階で、共同創業者のバンクマンフリードCEOは、同社が最大80億ドル(約1兆1700億円)の資金不足に直面していると投資家に伝えた。

このニュースを受けて、ビットコインやイーサリアムなど多くの暗号資産が10%以上暴落し、ビットコインは一時16,000ドルを割る水準となりました。

当初は世界最大の取引所であるバイナンスが救済に乗り出すという話でしたが、CEOのCZが「自分たちのキャパシティを超えているため撤回する」と発表したようです。そもそもこのFTX事件はバイナンスがFTTトークンを売却するという話が発端で、FTXの財務懸念が顕在化し、今回の事件まで発展しました。FTXにはアルケゴス事件でも問題となったタイガー・グローバルマネジメントやソフトバンクグループなどの機関投資家も出資しており、株式などにも連鎖の追証売りが発生する危険も懸念されています。

あまりの規模であるため、米当局も調査を開始したというニュースが出ています。

関係者によると、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)がFTXの流動性危機に関連した調査を進めている。この流動性危機では、競合のバイナンスがFTXの米国外事業買収に向けた趣意書に署名する事態となった。

このFTX関連のニュースを受けてビットコインに強気なArkのキャシー氏はどう対応したのかというと。。コインベース株を更に買い増ししました。

おそらくキャシー氏はFTXの件を受けて、今後規制が高まるものの既存取引所にとっては新規参入への参入障壁となり、コインベースの地位も相対的に高まると考えているのではと思います。コインベースCEOのアームストロング氏は「コインベースはリスクの高い行為には関わっておらず、流動性懸念もない」とコメントを出しています。

 

暗号資産では過去にも2018年のコインチェック事件や2014年のマウントゴックス事件など、取引所によるトラブルが発生しています。その度にビットコイン価格は暴落するものの、2-3年もするとまたブームが起こり価格は暴騰しています。今回も暗号資産の信頼性に関わるものなので、しばらく低迷期が続くでしょうが、今後どのような動きになるか注目です。