PIVOT公式チャンネルでは「投資家の思考法」というテーマで奥野氏との対談動画を公開しており、今回は第3回。すでに1,2回目で合わせて60万回再生を達成し、年内100万回再生を目指せるほどの好調ぶりのようです。奥野氏は農林中金の「おおぶね」という長期投資を目的としたファンドマネージャーです。
奥野氏の基本スタイルは、参入障壁・競争優位を持つ銘柄に長期投資を行うスタイルで、ディズニーやコストコなど米国大型株が中心です。前回の第2回ではコストコの優位性について解説しており、そちらもおもしろかったのですが、今回は半導体銘柄のテキサス・インスツルメンツを例として分析手法を語ってくれています。動画の前半は円安環境下で個人がドルを稼ぐことの重要性についての話(日本文化を活用したブランディングの話など)やマーケットの動きに備える投資家の思考について述べていますので興味がある方はぜひ動画をチェックしてみてください。後半部分が半導体の話で、以下少し要点をまとめておきたいと思います。
ポイントとしてはバリューチェーンの全体を俯瞰し、どこのポジショニングが良いかを見極め、マップを作りながら投資銘柄を厳選していくこと。
例えば今回の半導体であれば、製造機器などは景気による変動率が高く、景気後退時にはファウンドリーによる設備投資が減り、受注も減ってしまう。一方、原材料は半導体の生産が続く限り安定した受注があるため変動率は低いポジショニングとなる。
テキサス・インスツルメンツはアナログ半導体の垂直統合型企業である。アナログ半導体の分野は大手の合併などにより業界再編がすでに進んでおり、参入障壁が高い分野となっている。
半導体業界はシクリカルであるため、景気変動により上下する傾向があるが、全体のパイが増加(エンドとなる半導体を使用する電子機器がどんどん増加しているため。)しており、変動率が下がりながら、全体が上がっている傾向。上記図を見ると、テキサス・インスツルメンツがメインとしているアナログ半導体は変動率が低く、20年間構成比が安定していることが伺える。
前回のコストコの優位性について解説された動画はこちらです。