【書評】BAD BLOOD ジョン・キャリールー

シリコンバレーで注目のバイオベンチャー企業であったセラノス。CEOのエリザベス・ホームズは2003年に起業し、評価額90億ドルまでセラノスを育てあげたことで、若くしてメディアに取り上げられていました。しかし、自分が成し遂げたい理想と現実のビジネス状況のギャップを受け入れられず、やがて開発製品の結果を捏造し、投資家やビジネスパートナーを裏切る方向に進んでしまう。。という、実話をまとめた書籍で、セラノス元社員へのインタビューも交えながら内情を明らかにしていきます。

◆「ショッキングな結末を迎えるサスペンス。ページをめくる手がとまらない。――セラノス事件の内幕は、信じられないほど、ひどい」ビル・ゲイツ◆
「エンロン」以降、最大の企業不正が行われた血液検査ベンチャー「セラノス」事件。ジョージ・シュルツ、ヘンリー・キッシンジャーなど百戦錬磨の大物たちはなぜ若きCEO、エリザベス・ホームズに騙されたのか!? 「指先からとる1滴の血液で、あらゆる病気を調べることができる!」革新的な血液検査の技術を発明したとして、アメリカのメディアから『第二のスティーブ・ジョブズ』ともてはやされたエリザベス・ホームズ。だが、彼女が率いたバイオベンチャー「セラノス」の内幕は、過剰な野心、傲慢さ、虚言、パワハラが渦巻いていた。現代社会の様々な側面が凝縮したシリコンバレー発巨大詐欺事件の全容を、敏腕記者が地道な取材で証言を積み重ねながら、暴いていく。

この事件については裁判にもなっているのでご存知の方も多いかもしれませんが、元々エリザベス・ホームズは血液検査に革命を起こすことで社会を良くしていきたいという純粋な思いから起業しています。ベンチャー起業、特にバイオテックは結果を出すのが難しい分野で、理想を掲げるスタートアップは多くありますが、成功する企業はほとんどありません。コロナワクチンの開発で成果を上げたBioNTechやModernaもmRNAワクチンを開発するまでに多大なリソース(時間・資金)をかけ、ようやく日の目を見ました。バイオテック企業やスタートアップへの投資に興味がある方は読んで損のない本だと思います。

 

ディズニープラスで「ドロップアウト」というタイトルで映像化もされているので、こちらも面白そうです。私はまだ見れていないのですが、すごく評価は高いようです。。。

ジェニファー・ローレンス主演で映画化もされるようなので、そちらも心待ちにしているのですが、公開はまだまだ先のようですね。。。