米国金利上昇はJリートにマイナス。資金調達に問題が出る銘柄も。

J REIT含め不動産に詳しい中山さんが金利上昇時のJリートについて解説をしています。15分程度の動画ですが、内容の濃い動画でした。

<米国金利上昇時のJリートのパフォーマンス>

4月にリリースされた日銀のレポート(FSR)では米金利1%上昇に伴いJリート指数は-2.5%程度の価格下落圧力がかかる。理由としてJリートは海外投資家の保有率が2割程度を占めるため、日本の金融・経済環境のみならず米金利動向の影響を受けやすい。今後も引き続き金利は上昇傾向のため、Jリートの価格にはマイナスの影響が出る。

 

<金融環境悪化による不穏な兆候銘柄>

  • 大江戸温泉リート
    • 借入環境悪化(ホテル系セクターの与信悪化、スポンサー問題。)により複数銀行からのリファイナンス(借り換え)を断られた。
    • かろうじてメインバンク及び上位バンクから調達はできたものの、メインバンクが新規先へ一部債券譲渡などを行った。
    • 上記の影響は大きく、今後もリファイナンスの度に同様の問題が上がる。(価格下落圧力となり、最悪倒産につながる。今回の件も一歩間違えば倒産。)
  •  タカラレーベン リート
    • 2021年8月期以降、親会社からの物件大量(30件以上)購入が相次いでいる。
    • 物件大量購入にもかかわらず分配金は減少し続けている。(2020年8月と比較し、2023年8月期は15%以上減配。)
    • 親会社の株価は好調にもかかわらず、REIT価格は大幅下落を続けている。
    • このようなケースでは不動産市場に何かあるなと察知する必要がある。サブプライムローン金融危機の時も同様のことが起きた。
    • *親会社が利益を出すために、子会社であるREITに物件売却を行ってる可能性もある。

金融環境悪化時は、今回紹介された2銘柄のような中小型リートは借入リスクの影響を大きく受けるため、不動産市場に何かあるかなと推察し、他のリートにも連鎖的に波及するかどうかマーケットを観察しておく必要があります。

 

サブプライムローンを発端とする金融危機が起きたのもすでに14年前となり、当時を知らない20代30代の投資家も増える中、当時の経験を知るベテラン投資家の話は参考になります。REIT投資するにあたって、金利上昇や不動産ショックがどのように影響を与えるか事例と共に抑えておきましょう。