シンガポールホテルの宿泊費が過去10年で最高レベルにまで上昇

ホテルREITにとって大きなニュースです。シンガポールのホテル1部屋あたりの平均宿泊費(ARR)がS$259と過去10年で最高レベルに達しました。リオープニングにより海外からの旅行者などが増えたためです。*9/2時点の1SGD =100円で換算すると約25,900円。

Singapore hotels' average room rate (ARR) rose to a near-decade high in July, extending growth for the sixth straight month, as global visitors returned with the reopening of international borders.

ARR(average room rate)はYoYで+69.2%, MoMでも+7.7%とさらに伸びている状況で、ホテルの売上は1ヶ月でS$318.5million と昨年から4.5倍に増えました。1部屋あたりの売上であるRevPAR(Revenue per available room)はS$204.99とYoYで+140.3%,MoM +9.2%と記録的な水準です。7月の平均稼働率は79%と6月の78%から改善し、コロナ前(2019/12-2020/1)の83%まであと4%まで迫る水準まで回復しています。

 

7月は全てのホテルカテゴリーで成長しており、それぞれのセグメントのARRは

economy:S$126.44 (約12,600円)  mid-tier:S$206.80(約20,600円)

upscale:S$301.07(約30,100円)  luxury:S$538.27(約53,800円)

となっています。

 

実際シンガポールREIT全体での年初来実績8/26週時点では-3.3%であるのに対しホテルREITのHospitalityセクターは+17.4%と好調を維持しています。時価総額Top3銘柄の現在の配当利回りは5%前後ですが、翌期以降の実績改善を織り込んだFwd Yieldでは利回り6%となっており、現在のホテル活況を維持していればさらなる上昇も期待できるところです。

銘柄 時価総額 (m SGD) 配当利回り
Ascott Residence Trust 3,821 5.0%
CDL Hospitality Trust 1,557 4.5%
Far East Hospitality Trust 1,241 4.8%

*時価総額・配当利回りは2022/8/26時点

日本でも9/7以降、入国時の陰性証明が不要になるなど、ようやく通常通り海外に旅行しやすい環境が整ってきますし、楽しみですね。(1ドル140円を超える記録的な円安なのは残念ですが。。。その分、海外からの旅行者によるインバウンド期待は大きく、恩恵を受ける日本株・REIT銘柄も多いです。)

 

シンガポール最大のホテル系REIT・Ascott Residence Trustについての詳細はこちら。

4月にシンガポールが入国規制を緩和した際の記事です。ようやく結果が現れてきました。