エネルギー不足対策としての原発への期待。ウラン関連株上昇。

8/26に行われたジャクソンホール会議でのパウエル氏の講演以降、米国マーケットが下落に転じています。NYダウは1000ドルを超える下落となり、8月のサマーラリーによる上げ幅をほぼ消しました。そんな逆風のマーケット環境の中でウラン関連株が急上昇しています。ウラン関連銘柄最大のCameco(ティッカー: CCJ)は8/29までの5日間で+28.7%の上昇、Centrus(ティッカー:LEU)は+37.4%、ウランETF(ティッカー:URA)は+19.7%とS&P500指数を大幅にアウトパフォームしています。

 

特に大幅上昇を記録した8/29にはイーロン・マスク氏が原発継続を支持することがニュースとなりました。

カリフォルニア州でも閉鎖予定であった原発を10年延長を検討しており、EUが原発を脱炭素のクリーンエネルギーに認定する方向へ進み、さらにドイツも”脱原発”から原発延長へと世論が高まっています。

  • 気候変動とロシアのウクライナ侵攻により、世界の首脳が原子力発電に再び目を向けている。
  • アメリカ・カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事の原子力発電所の稼働を延長するという提案もその一つだ。
  • 原子力発電は温室効果ガスを排出せず、世界の電力の10%をまかなっている。

日本でも岸田首相が次世代原発の建設検討と、既存の原発再稼働を指示するなど、世界的に原発を活用する方向へ舵を切りつつあります。

ちなみにシンガポールでは次世代型原発であるSMRの導入に向けてテストを勧めている段階です。

 

ウランを取り巻く現状については下記noteの記事がよくまとまっており、目を通されることをオススメします。

ウランの生産量は年間5-6万トンのレンジでカザフスタンが全体の40%程度と最も多く、続いてカナダ、オーストラリアがそれぞれ13%程度と続きます。

 

ウランの生産能力と年間需要予測は下記グラフのような推移となっており、需要をどうみるかでかなり幅があります。脱ロシアを目指した世界のエネルギー情勢を考えると、原発に肯定的な方向に進みつつあるため、従来考えられていたよりも息の長い投資テーマになりそうです。

ウラン関連銘柄への投資を考える場合は、安定性なども加味し、冒頭に挙げたCameco(ティッカー: CCJ)、Centrus(ティッカー:LEU)、ウランETF(ティッカー:URA)あたりが第一候補になってきそうです。