台湾有事による米中対立の深刻化を懸念: レイ・ダリオ氏

ペロシ氏の台湾訪問以降、中国が台湾を囲んでの軍事演習を行うなど米中間の緊張感が増しています。世界最大のヘッジファンドを運営するダリオ氏が米中対立についての分析記事をリリースしています。

著書の"Principles for Dealing with the Changing World Order"で詳細解説されているスキームに合わせた分析となっており、ダリオ氏は今回の台湾問題は米中覇権争いの重要局面とみているようです。

世界をリードする米中の二大強国による対立はロシア-ウクライナ戦争よりもグローバル・マーケットに与えるインパクトは大きくなる。中国の世界貿易シェアはロシアの7倍以上もあり、アメリカの製品輸入の19%を占めている。中国への制裁は世界のサプライチェーンに壊滅的な打撃を与え、経済減速とインフレ急上昇にもつながります。

米中の対立指数は2006年より右肩上がりの状況で米露冷戦時代の平均指数を上回り第一次世界大戦並の高水準となっている(下記グラフ&表を参照)。*この指数は軍事費用やお互いの国に対する国民のセンチメントなどを考慮し算出されている。

現時点ではまだ初期段階の軍事対立ではあるが、今回の台湾有事がどのように作用するか見守る必要がある。

 

参照:The US-China Tit-For-Tat Escalations Are Very Dangerous