【銘柄分析】NetLink NBN Trust :シンガポールのインターネットインフラを支える銘柄

NetLink NBN Trustはファイバーネットワークのインフラ設計・構築・所有・運用を行う会社です。シンガポール全土のブロードバンドやインターネットプロトコルサービスのためのファイバー接続などを提供しています。一般の住宅向けやデータセンターなどへ幅広くサービスを提供しています。

事業収入をカテゴリー別に見ていくと、住宅に提供している「Residencial connections」が売上の63.8%を占めているメインビジネスであることがわかります。次いで、オフィス等に接続する「Non Residencial Connections」が8.2%。また売上比率が3.4%と小さいものの、「NBAP: Non-Building Access Points」は5GやIoTの普及で今後成長が期待される分野です。NBAPのFibre connectionはFY19からFY22で1.5倍以上も伸びています。いずれもRecurringであるため定額での売上が見込め、キャッシュフローも予測しやすいです。RAB revenueというのはregulatory asset base のことで、国にとって基盤となるインフラサービスのため、政府規制によって透明性のある価格設定となっています。

 

この銘柄の長所はなんといっても安定性。今のような不安定な相場にはディフェンシブ銘柄として活躍してくれます。さらに配当利回りは5.3%と高配当かつ過去5四半期増配となっています。

短所は、メイン事業の成長性が低い点。シンガポールではインターネットファイバーの普及率がすでに高く、大きな売上成長は難しいです。ここをカバーするためにNBAPの売上をいかに成長させていくかが鍵となります。シンガポールは'smart nation'というテーマを掲げ、テクノロジーを活用した国作りを目指しています。そのため、5Gのインフラ強化やIoTの推進に積極的です。シンガポールに行ったことがある方はご存知でしょうが、街のいたるところに監視カメラが設置されていたり、あらゆるところにインターネット接続されたものがあります。今後もこのようなテクノロジー化を背景にNetLinkのビジネスをさらに伸ばすことで、安定性と成長性を両立させることができるか経営陣の手腕に期待です。