シンガポールREIT市場全体での5月パフォーマンスの振り返りです。シンガポールでの投資イベントでREITセミナーを実施しているKenny Loh氏の6月5日レポート分の要約になります。
FTSE ST REITインデックスは先月末の853.56から820.69と、-3.85%と大幅に低下する結果となりました。長期でのチャートはボックス圏内での推移となっています。
各銘柄のファンダメンタルを見ていきましょう。
緑色のセルが目立つ通り、先月同様に割安銘柄が多くある状況です。
<Price/NAV>
Price/NAVの欄が株式でいうPBR相当の指数で、割安度を示しています。
*NAV=net asset value(純資産総額)
ST REITインデックスのPrice/NAV は0.95と先月レポートの0.99よりもさらに割安になっています。
Price/NAVの上位5銘柄は
Most overvalued REITs :based on Price/NAV (vs 先月のPrice/NAV)
- Parkway Life REIT :Price/NAV = 2.08 (vs 2.06 prev.)
- Keppel DC REIT :Price/NAV = 1.54 (vs 1.56 prev.)
- Mapletree Industrial Trust :Price/NAV = 1.34 (vs 1.41 prev.)
- Ascendas REIT :Price/NAV = 1.17 (vs 1.20 prev.)
- Mapletree Logistics Trust :Price/NAV = 1.12 (vs 1.20 prev.)
下位5銘柄は
- Most undervalued REITs :based on Price/NAV (vs 先月のPrice/NAV)
- BHG Retail REIT :Price/NAV = 0.58 (vs 0.60 prev.)
- Lippo Malls Indonesia Retail Trust :Price/NAV = 0.58 (vs 0.61 prev.)
- EC World REIT :Price/NAV = 0.67 (vs 0.70prev.)
- OUE Commercial REIT :Price/NAV = 0.69 (vs 0.74 prev.)
- ARA US Hospitality Trust :Price/NAV = 0.70 (vs 0.72 prev.)
となっています。
<配当利回り>
ST REITインデックスの配当利回りは6.30%と4月レポートの6.00%よりも高くなっています。6%を大きく越えて来た点は高配当銘柄としての妙味が出てきたといえます。しかも、40銘柄中14銘柄は利回りが7%を越えています。
Highest Distribution Yield REITs (ttm)
- United Hampshire REIT (10.08%)
- EC World REIT (9.86%)
- Prime US REIT (9.48%)
- First REIT (9.19%)
- Keppel Pacific Oak REIT (9.06%)
- Manulife US REIT (8.81%)
株式と同様、配当利回りが高ければ良いというものでもないので、配当利回り単独での投資判断は危険です。配当の持続性やなぜ投資価格が下がっているのかを考慮し、他の指標も勘案しながら、投資判断を行う必要があります。
高配当銘柄の多くは海外市場をターゲットにしている銘柄が多いため、REIT Synpoisumのこちらの記事でもビジネス状況など記載しています。ぜひ参考にしてください。
総括して、弱いマーケット市況が続いています。先月価格が上昇したものは6銘柄のみで、ESR-LOGOS REIT (6.41%), Lendlease REIT (5.11%), ParkwayLife REIT (3.77%), Sabana REIT (1.11%), Keppel DC REIT (0.99%) and Mapletree NAC Trust (0.83%).
うち、2銘柄(ESR-LOGOS, Mapletree NAC)は合併によるものでした。
他にも5月にあったREIT関連ニュースや、シンガポール10年債や米国10年債との比較チャートなど、盛りだくさんのコンテンツになりますので、ぜひ元サイトもチェックしてみてください。
参照:Kenny Loh's blog
Singapore REIT Monthly Update (June 5th 2022) - My Stocks Investing