ヘルスケアREITであるFirst REITが日本の老人ホーム施設への投資を拡大しています。First REITのポートフォリオはほぼインドネシア物件でしたが、日本への投資を拡大し、全体の22%を日本の物件が占めるまで拡大しています。
本来ヘルスケアREITというのはアップサイドも大きくない代わりに安定的な傾向のあるREITなのですが、First REITは財務的に上手くいってなかった期間が長くリスクの高い銘柄でした。シンガポールREITとしてはヘルスケアREITが2銘柄あり、もう一方のParkwayLife REITは長年安定しており、高いバリュエーションを維持しています。
First REITの2022Q1の実績はYoYで大きく改善しており、NPIはYoY+34.9%となっています。
投資戦略としても大々的に日本への投資を名言しており、より安定性を高めていこうとしている部分が見て取れます。主力のインドネシア物件は比較的リスクの高い新興国なので、期待される高い配当利回りとのバランスをいかにとっていくかが課題となります。
日本は2021年時点で全人口に占める65歳以上の割合が29.1%と、世界で最も高齢化が進んでおり、ヘルスケアREITの投資先としては悪くないです。J-REITでもヘルスケア&メディカル投資法人というヘルスケアREITがありますが、資産規模は650億円弱程度です。REIT本場の米国ではヘルスケアREITは16銘柄ありますが、それと比較するとJ-REIT, S-REIT共にまだまだもの足りないセクターではあります。
海外ほどインフレ状況が進んでいない、かつ円安効果もあり日本の不動産は割安であるため、海外機関投資家からの投資が今後さらに増えてくることが予想されます。REIT関係のものについては、随時ブログでも取り上げていきます。