【書評】カラ売り屋vs仮想通貨 黒木亮

黒木亮さんによるカラ売り屋シリーズ、今回のテーマは仮想通貨。

表題の「カラ売り屋vs仮想通貨」の他に、"巨大航空会社"、"電気自動車の風雲児"の三本立ての内容です。いずれも実際の出来事をテーマとしつつフィクションを加えた形で、①仮想通貨:コインチェック事件 ②巨大航空会社:JAL ③電気自動車:Teslaのイーロン・マスク を題材として扱っています。

さすが黒木亮さんによる経済小説で、それぞれのテーマについてしっかり調査・深掘りがされており、小説の形で楽しみながら関連知識を深めることができます。投資の基本はロング(買い)から入ることですが、ショート(売り)から入ることを専門としたカラ売りファンドも、企業の不正を暴いたり、加熱しすぎたマーケットに対してあるべき評価(バリュエーション)へ正すといったことでマーケットに寄与しています。投資に興味がある方には、おすすめの一冊です。