シンガポール市場で初のイギリス不動産に特化したREITが新規上場しました。
これまでヨーロッパを投資対象としたものではCromwell REITがありましたが、不動産市場としても人気の高いUK特化ということもあり、IPO発表当時から注目されていました。
ーSummary-
スポンサー: Elite Partners capital
タイプ:オフィス特化
物件数:97
ポートフォリオ規模:319million £(@IPO) *約456億円
IPO時の価格/unit:0.68 £
想定配当利回り:7.1-7.4%
占有率:100%
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ロンドンのみならず、イギリスの幅広いエリアに物件をもっています。
ロンドン近郊の物件数比率は約25%です。
賃貸収入での割合は、ロンドン近郊が20%を占めています。
Region | Number of properties | Gross rental income for forecast year 2020 (£’Million) |
Percentage of gross rental income for forecast year 2020 |
---|---|---|---|
London and South East | 16 | 4.7 | 20.3% |
South West | 9 | 2.5 | 10.5% |
Midlands | 9 | 1.6 | 6.8% |
Yorkshire and Humber | 4 | 0.3 | 1.2% |
North East | 9 | 1.2 | 5.2% |
North West | 16 | 5.3 | 22.9% |
Scotland | 20 | 5.9 | 25.4% |
Wales | 14 | 1.8 | 7.7% |
Total | 97 | 23.3 |
100.0% |
そして、このEliteの最大の特徴はUK政府機関である労働・年金省(Department of Work and Pension)がメインテナントである点。なんと保持する物件の99%以上が政府機関となっており、安定性が高いです。
7%以上の配当利回りで、テナントも安定しているとなるとかなり魅力的なREITになります。
リスクとしては、
・BREXIT後のマーケット環境の不透明感
・政府機関とのテナント契約が延長されないケース(現行契約は2028/3/1 まで。)
メインテナントであるDWP(労働・年金省)はUK政府で最も大きな部門で、先進国であるUKも高齢化社会が進んでおり、10年で60歳以上の人口は340万人の増加が見込まれています。そのため、部門の縮小に伴う退去リスクも低いと言えそうです。
UKは政府のGDP債務比率も低く、財政は安定しています。
UKオフィス需要も好調。
投資物件
今回のイギリス特化のElite REITもそうですが、シンガポール市場上場リートは昨年以降、シンガポール以外のマーケット特化REITの上場が増えています。
-2019年上場リート-
- ARA US Hospitality Trust, :US Hotel特化
- Eagle Hospitality Trust, :US Hotel特化
- Prime US Reit :US Office特化
- Lendlease Global Commercial Reit. :シンガポールとイタリアマーケット
特に市場環境上、US市場にFocusするものが多くなっています。直接US市場に上場しているREITよりも配当利回りが高いため、マーケット全体が高くなっている現状でも投資を検討する価値があります。