REIT市場 8月動向

いつも定点観測として参照している、毎月発行されている三井住友アセットのREIT市場動向がリリースされましたので、内容を見ていきましょう。

 

<概況>

7月は前半と後半で大きく動きが異なり、前半はECBの出口戦略の発言に伴い、価格は下落しました。一方、後半は欧州のハト派発言がみられ、長期金利の低下に伴い価格は上昇に転じました。

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特に香港やシンガポールのアジアREITについては2017年に入り、一貫して上昇しており、それぞれ前月比+6.96%、+2.2%と堅調に推移しています。米国・日本・オーストラリアのリートTOP3国は停滞基調が続いています。

 

特に重要な指標であるイールドスプレッドについて確認してみましょう。

イールドスプレッドとは、「配当利回りと10年国債の利回りの差」であり、割安感割高感を計る指標として用いられます。この数値が大きいほど、割安感があるといえます。

 

7月末時点での数値は下記グラフの通りで、シンガポールREITのイールドスプレッドは3.5%と減少傾向にあります。堅調に指数価格が上昇しているので仕方がないことではありますね。ちなみにJ-REITのイールドは投資価格の下落も寄与し、3.8%と一番高くなっています。

 

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投資信託などで海外リートを保有している場合は、比率の高い米国やオーストラリアの利回り差が小さくなってしまっているので、積極的に投資を進めるタイミングではないように見えます。(もちろん長期視点での積立てをしている場合は、スポットでのタイミングはパフォーマンスに大きな影響を与えるわけではないので、気にする必要はないです。ここらへんはREITも株も同じですね。)

 

出典:

http://www.smtam.jp/shared/pdf/report_column/HPREITreit20178.pdf